今後の予定

 プレイしたいゲームはいっぱいあるけれど、積んでいるゲームもいっぱいあるから先にそっちの消化から終わらせたいと思い、計画を立てることにした。FANZAのスプリングセールが始まっているみたいだけれど、計画を立てて余裕がありそうなら、買いたいゲームの購入を検討することにする。

○4月

サクラノ詩

 

○5月

G線上の魔王

 

○6月

白詰草話、缶詰少女ノ終末世界

 

○7月

ef the fisrt tale

 

サブで進めたいシリーズ

ぼく×、ごしめい、

 

うむ、スプリングセールは5月7日までやってるみたいだから、5月に入ってから最終判断を下そう。

【ゲームの感想】景の海のアペイリア #5

【ゲームの紹介】

 ついに景の海のアペイリア、完走しました!なかなかの大作でした。正直、後半はかなり大変でしたが、その分、読みごたえがあったので満足です。普通にSF的な難しさがあるなと思って読んでいました。Twitterで「1周で理解できるやつは少ない」的なつぶやきを見つけて安心しました。私も完全に理解し終えたとは言えないですが、一応、1周目が終わったのでひとまず感想として形にしたいと思います。すぐにはやらないと思いますが(他に積んでいる美少女ゲがあるから)、時間をおいてもう1度プレイしたいゲームだと思いました。最後なので、ちょっとだけあらすじ紹介……。

 主人公、零一はひょんなことから強いAIであるアペイリアを創ってしまう。そして、零一とその友人たちはアペイリアの力を借りて、現実世界そっくりの完全没入型VRMMOを創り出してしまう。しかし、シンギュラリティを超えたアペイリアの力は零一たちが予想もできない事態をつくり出していき……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 最後の時間軸はアペイリア√とも言えるものでした。前回の記事までで、三羽√、久遠√、ましろ√と個別√の感想記事としてまとめてきたので、アペイリアも個別√としてまとめようと思います。その後、全体の感想を書いていこうと思います。

 さて、アペイリア√ですが個人的には1番好きな√でした。AIとの恋愛、タイムリープの選択(これはアペイリア√に限ったことではないけれど)、終末の迎え方……などなど面白いテーマがたくさん詰まっていました。

 まずはAIとの恋愛について。アペイリアの場合は自我や知性を持っていると言っていいレベルだったが、それでも感情の理解は難しいようで、困難がありそうだった。ただ、1つ1つ感情を教えて恋を目指していくというのは素敵な過ごし方だなと羨ましくなった。しかし、個人的には感情を教えることができたとしても、自分が抱いている感情とAIが抱いている感情は別のものだと感じてしまうと思う。AIが抱く感情は禁書目録でいうところのフロイライン=クロイトゥーネの持っているものに近い気がする(伝わってる?)。状況を分析して、条件を1つ1つ判断していった結果、いわゆるこれが○○という感情であると分析してる感じ?アペイリアほどの性能があればほぼ100%の正解を出せるのだろうが、それでもやはり人間が抱く漠然とした感情とは違う気がしてしまう。また、人間の場合はいろんな感情がないまぜになった感情を抱くことがあると思うけれど、それをAIに説明するのは相当難しいと思う。嫉妬30、苛立ち25、後悔20、失望15、怒り10を混ぜたものです、みたいな説明をするしかないだろうけれど、そもそも自分の気持ちを完璧に言語化するのは不可能に近いと思っているから、AIにこういういった感情を正確に伝えるのは困難であると思う。ましてや今のところ現実にはアペイリアほどのAIは存在しないから、AIとの恋愛はより困難であると思う。でも、だからこそAIとの恋愛は夢があるんだよなあ。叶わないからこそ目指したくなる。どれだけ頑張っても自分のオモイは相手に正確に伝わらないけれど、だからこそ少しでも完璧に近づくために努力をするのが面白いし素敵であると思う。これはAIとの恋愛に限らず、言葉が違う相手、価値観が違う相手との恋愛についても言えると思う。

 あーだこーだ言ったけれど、アペイリアとのキスシーンはめ↑ちゃ良かった。指を挟んでのキスシーンは今まで見たことがなかったのだけれど(寡聞にして知らない)、かなり好きなキスの仕方かもしれない。恋についてよくわかってない(あるいは戸惑っている)2人がぎこちないながらもやっている感じがして良かった。普通のキスシーンよりも好き。

 タイムリープの選択については前の記事までにそれなりに書いたから、詳しくは書かない。ただ、前回までと違って単一世界論から多世界解釈に話が移った。零一がとてつもなく悩んだのもこれが原因だった。多世界解釈の立場に立つと、タイムリープをしても出会うのは別人であることになるけれど、それでも本当にする?という話。単一世界論の場合に比べてタイムリープしない派が増えそうではある。ちなみにボクもタイムリープしない派。タイムリープをしたとして愛する人に再び出会ったとしても、それは自分が愛した人と同じ見た目で同じ思考の持ち主の別人だと強く意識してしまうからね。原子レベルで一緒だけれど、だからこそ別人なのだという意識が強くなってしまいそうではある。ただ、前にも述べたように単一世界だったらずっとずっとタイムリープを繰り返すという逃避的な選択をすると思う。

 続いて、終末について。アペイリアと零一は1年ちょっとという期限を穏やかに過ごす選択をしたわけだけれど、こういうシチュエーションが好きなんだ。元々、セカイ系が好きだったから、それに影響されてるのかもしれない。だから、サノバウィッチのあの√も好きなの。終末が近づいたら、残された時間を愛する人と2人だけのセカイで穏やかに過ごしたい。スケジュール帳の予定を1つずつ埋めていきたいね。同じシルキーズプラスの「缶詰少女ノ終末世界」を積んだままにしていることが頭を過ってしかたないわ。

 アペイリア√でも再び出てきたから、「オモイは自動的」ということについて、もう1度取りあげてみる。自分でも思い通りにならない感情が湧きあがって来るけれど、それは送り付けられたようなもので、自動的な自分でしかないという話。だから、思い通りにならない自分に振り回されることはないよ、という話。理不尽な現代社会を生き抜いてくためには大切なマインドかもしれない。幾分、心が軽くなるからね。

 これはアペイリア√とは言えないかもしれないけれど、細かい話だから先に書いておく。スワンプマンについて。一のオジサンからスワンプマンの話を聞いた時点では、まさかスワンプマン的存在がこんなに出てくるとは思ってなかったからビックリ。しかし、どのスワンプマンも(ブックマン、シンカーは特に。永久子さんはまあ何とも言えないけれど。)良い結末は辿らなかった。特にシンカーはなあ。個人的にはけっこう好きなキャラクターだったし、最後のシーンを見ると余計に好きになったなあ。他人からは理解できないようなただ1つの願いを求め続けるタイプが好き。シンカーにとって零一の「俺なら潔く消える。」って発言は重かっただろうなあ。本物になるためには消えなければならないというどうしようもない状況で、悩み続けたシンカーの気持ちを考えると悲しくなる。引き延ばすという逃避的な選択もよく理解できる。最後の瞬間だけは少しでも救われたのだろうか。

 さて、ここからは全体の感想に入っていくけれど、まず、第1回の記事の予想を振り返ってみたい。

予想①零一たちが現実世界だと思っている世界ですら仮想空間でしかない。

 現実世界から仮想世界「セカンド」に入り、さらにその中で仮想世界「サード」に入ったように、そもそも零一たちが現実世界だと思っている世界の更に外側に世界があるのかもしれない。外側の世界が有るか無いかというよりも、現実だと思っている世界が仮想世界というのがポイントかもしれない。もしそうなら、タイムリープだと思っているのは、単純にゲームがリスタートされているだけなのかもしれない。」

いや!めちゃめちゃ大正解ですやん!今回ばかりはトンデモ予想ではなかったというわけね。こんな感じでこの作品にはどんでん返しが多く仕掛けられていて面白かった。何度も予想を裏切られたというか、予想を上回る展開が多かった。SF好きとしてはけっこう好きな作品だったが、その分、読むのが大変なところも多く、どっしり構えないといけない作品だった。説明パートはオートプレイを止めたもんね。かなりの名作に感じたけれど、他の名作ほど名前を聞く機会が少ないのは(これは勝手な印象かもしれないけれど)、こういう難しさがあるのかなと思った。特に最終盤のシンカーとの答え合わせ→現実世界に辿りついてから真相を知る場面のあたりは進めるのにけっこう時間かかった。まあでも、その分、読みごたえはあるから面白かった。何か所か、ついていけてないせいか、「ほんまか?」と言いたくなることがあったけれど。2周目ではそういったところの疑問を解消していきたい。

 なんか最後の方があんまりという評価があるから心配だったけれど、別にそんな悪くなかったと思う。まあ若干、急ぎ足だった感は否めないし、三羽関連の問題も片づけられてない感があったけれど、それでも許せる範囲内ではあると思った。

 

【項目別】

 いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。きちんと全てを掴みきっているか怪しいのに、こんなのを書くのはおかしい気もするけれど。

《①シナリオ》

 ★10です。SFが好きなんで、そもそもこういう世界観が好きでした。2周目をやったら結果が変わるかもしれませんが、今の間は暫定★10としておきます。シナリオについてはこの記事もそうだし、これまでの記事でもそれなりに書いてきたからこんなもんにしておきます。

 と言いつつ、書き忘れたことがあったので追記(2024年4月16日)。けっこう話が複雑なところが多いので、ゆっくりかみ砕いていく作業が必要でした(私の脳みそレベルの問題な気もしますが)。人によってはそういうのが大変だと感じてしまうかもしれません。

自分でも整理しようとがんばった①

自分でもに整理しようとがんばった②

 もう1点、人によって好みが分かれるかもしれないところとして、下ネタのノリが挙げられると思います。人によっては苦手なノリかもしれません。

 かなり良シナリオだと思うので、こういう表面的なところで「合わない!」と判断している人がいるとしたら、「最後までやってみよ!」と声をかけたいところです。

 

《②Graphic》

 ★9です。一枚絵は可愛いのが多いのですが、立ち絵になると若干、落ちる気がするのは気のせい?しかし、ふゆくるは★8をつけているあたり、基準が揺らいでいる気がするから、一度、他のやつも含めて見直した方がいい気がする。

 

《③H度》

 ★9です。面白いのがテキスト外のセリフをキャラクターがしゃべるところなんですよね。臨場感があって良かったと思います。三羽の誘い受け感が良かったし、久遠のお姉さんな感じも良かったし、沙羅のわからせたくなる感じも良かった(他のキャラクターも可愛いけれど)。

 

《④システム》

 ★6です。特に何もない限りは★6。シルキーズプラスの作品はCG回収率などがパーセンテージで表示されるのがわかりやすくて良いネ。

 

《⑤サウンド

 ★7です。opが好き。YouTubeのシルキーズプラス公式チャンネルに動画が挙げられているのだが、わりと繰り返し見ていた。それぐらいには好き。なぜかその動画だと沙羅と七海の紹介が逆になっているのだが。

 

以上、★41/50でした!好みと一致していたということもあり、高めに出た?カサブランカの騎士みたいなものがあるけれど、あれもやってみるか?スピンオフ的なやつなんだろうか。

 

○名言

「未来(キス)の後に過去(恋)ですか?」byアペイリア

このセリフだけだと全然、状況を伝えられないけれど。良い言葉だなと思った。

 

【雑談】

 次、何をしようか。G線上の魔王サクラノ詩で悩んでいるのだけれど。季節的にはサクラノ詩なのだが、けっこう時間かかりそうなんだよなあ。まあG線上の魔王に関しては一緒にやる機会があれば一緒にやりたいし、置いておくことにする。

 4月からしばらくはスイッチを入れないといけないね。

【ゲームの感想】景の海のアペイリア #4.5

【ゲームの紹介】

 今日はいつもと一味、違います。といっても内容としては前回に引き続い、景の海のアペイリアなんですが。ただ、最終章に入り、頭がこんがらがってきたので整理するためにも記事を書こうと思います。よくわかんなくなってきたから、自分の中でも言葉にしてみようというやつね。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【整理】

 観測者を無力化、シンカーシステムを破壊したとしてもタイムリープが起きてしまうかもしれないということに零一が気づく。え?

今の状況

前回の記事で書いたように、ましろとの対話の中で零一は単一世界論にたどり着いた。その上で、現在の状況をまとめたのが上の図。この状況で、観測者を無力化するとどうなるか。

普通に考えたらタイムリープ止められるんじゃ……?

このようにタイムリープは止められるハズ……。とアペイリアはここまで考えた。

 その説明をするために、まず「可能性の切り取り」について話さなければならない。これを説明するために、零一はましろの記憶がタイムパラドックスで復活したことに注目した。これは未来にある可能性としての存在が過去の出来事を変えた」と言える。しかし、よくよく考えたらこれはおかしいことだとアペイリアが気づく。

過去も可能性……?

もし、過去・現在・未来の全てが存在するのなら「未来が過去の出来事を変える」というのは納得できる(図の上の方)。ところが、零一は未来は可能性として存在すると言っていたじゃないか!まず第一に、未来が可能性として存在する場合、過去は存在しないという結論にたどり着く(図の右の方)。おい!存在しない過去をどうやって変えるって言うんだよ!と言っていると、零一が新たな視点を披露する。そう、過去は選んだあとの可能性(100%の可能性)なんだと。

過去も可能性だ!

しかし、このままだとタイムパラドックスが発生する(次の図)。

可能性の切り取り

タイムパラドックスが発生した場合、自然はそれを解消するために「可能性を切り取って現在に送る」を行うと考える。これだと上手く説明がつく。もちろん、逆の「ましろが事故に遭わない可能性」を切り取っても良いけれど、その場合は、今の状況から急にましろ白血病にして……などとしないといけない(自然は原則、現在の状態を保つように矛盾を解消する、と考える)。より労力が少なくて済むのは「ましろが事故に遭う可能性」を切り取る方だったのだ(ましろが事故に遭わない可能性が残ることになり、こっちの方が現状に近い)。

 さて、可能性の切り取りの話が終わったところで本題に戻りたい。「観測者を倒してもタイムリープを止められないかもしれない」という話だった。

タイムリープを消せない図式

図のようになる。確かに、観測者を殺してもタイムリープは止められなさそうだ。そこで、方法として考えられたのが①シンカーシステムを乗っ取る(タイムリープ条件を変更して機能停止させる)②アペイリアが未来でつくる可能性があるアペイリアネットワークを今とは違うものにする(たとえばタイムリープについての優先権をアぺイリアが持つようにする:未来の可能性を変える)である。しかし、②に関しては上手くいかなかった。わずかでも可能性があればそれをもとに歯車を動かすのがアペイリアネットワークだったが、アペイリアネットワーク自体に関してはそうもいかないらしい。今まで通りのアペイリアネットワークがつくられる可能性の方が高いから、そちらの未来が優先されている状態🦆という話だった。

 

【雑談】

 疲れたので、一旦ここまでにします。実は、真相究明編までたどり着いているのですが、難しすぎて頭がファーってなってしまったので、こちらに関してもゆっくり咀嚼したいと思います。ただでも、ゲーム内でもかなりわかりやすく図を用いて説明してくれてるからありがたいです。これがテキストだけだったら、諦めていたかもしれません。

【ゲームの感想】景の海のアペイリア #4

【ゲームの紹介】

 さて、前回に引き続きまたしても景の海のアペイリアです。ましろ√まで終わっているので、今回はその感想を書いていきます。これで個別√はすべて終了したことになるのでしょうか。実はましろ√を終えた後もしばらく進めていますが、この世界線で最後になりそう?まだまだ謎が多く残っているので、それが一気に回収されていくのかと思うとDO☆KI☆DO☆KI☆デス。4回目なのでゲームの紹介はサラッと。

 主人公、零一はひょんなことから強いAIであるアペイリアを作り上げてしまう。しかし、オーバーテクノロジーであるアペイリアシステムは零一が予想だにしなかった世界をつくりだし……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 ましろ√の面白いところは、今までのキャラクターが総活躍することだと思う(三羽と久遠はいないけれど)。七海のデザイアは特殊なものだからどこかで活きてくるのだろうと思っていたけれど、まさかウランに使うとはね。こんな感じでの応用を考えていくと、なかなかイカれたチートデザイアなのかもしれない。シンカーとの共闘もアツかったね。

 ちなみに正直な話をすると、キャラクターとしては1番三羽、2番久遠、3番ましろみたいな感じで好きなのだけれど、告白シーンはましろ√が1番好き。opにも登場するジェットコースターシーンだけれど、こんな先まで進めないと見られないのか。未来の記憶が甦り、主人公がわざわざ自分を事故から救ってくれたのだと知ったら、恋におちてしまうのもうなずける。聞こえない告白だったけれど、だからこそましろが零一に対して素直に想いを打ち明けられていて良かった。

 また、ましろ√では勇気というものもしばしば触れられていた。告白する勇気、セカンドに踏み込む勇気。元々ましろが臆病な性格というのもあるだろうが、余命を宣告されクリーンルームで死を身近に感じながら過ごした記憶がある彼女にとっては、死が本当に恐ろしいものに感じられたと思う。だから、セカンドに踏み込むのをためらっても仕方ないなと思っていたけれど、踏み込む決心がつけられてエライ!どこかの記事で書いたけれど、逃げた場合、タイムリープしても逃げた記憶が一生つきまとうからね。

 ウイルスを全て駆除し、完璧にクリアした。「え?もうこれ、Happyendじゃん。」って思ったら、タイムリープした。空から落ちるましろと零一が手をつなぐシーンは、けっこう良かったのだけれど。そう簡単にはいかないか。

 

タイムリープについて

 三羽√ではタイムリープの仕組みについての話し合いがあった。今回の√では単一世界or多世界という議題で話し合った。まず単一世界だと仮定する。ましろは現在、白血病ではなくそれは過去、事故が起こるときに零一に助けられたからである。つまり、ましろが救われた原因は零一がタイムリープしてきたこと。したがって、主人公はましろを助けるために1年経ったらタイムリープしなければならず、このサイクルを無限に繰り返すことになる(このあたりはゲームの図を用いた説明がわかりやすい)。単一世界でタイムリープを考えた場合、未来は同じ世界線の過去に影響を及ぼすことになるから、このようなことになってしまう。

 ここから先はまだしっくりきてない部分。この無限ループでは零一は助けるのを諦めるだろう。だから、単一世界ではましろは必ず事故に遭うハズ……。零一がクソしぶとくて決して諦めることがなかったらどうなの?って思ってしまう。まあでも、どちらかというと、無限回繰り返すことになるのだから、どこかのタイミングで1回でも諦めることがあってもおかしくないよね、という話なのかもしれない。それなら、わからんでもない。いずれにせよ諦めた場合、それ以降はタイムリープが起きないからましろが事故に遭った時間軸で決定されるという話。これは現状況と矛盾している。

 そこで登場するのが多世界解釈。零一が新たにたどり着く先の世界は元の世界に似ているだけの別世界で、零一がいない以外は全て同じとするという仮定。多世界解釈ならタイムリープした零一がたどり着くのは別の時間軸であり、これならましろを助けた後、再びタイムリープしなければならないなんてことはない(元の時間軸のましろを助けることはできないけれど)。多世界解釈はよく似た別の世界に移動しているだけだから、正確に言うと時間旅行は起こっていないという話。ちなみにここでましろがちょっとロマンチックな話をしていた。多世界解釈だと愛する人タイムリープした場合、もう2度とその人とは会えない可能性が高いのだ。別の世界に行ってしまうからね。仮に自分と愛する人が共にタイムリープできたとしても、同じ世界線に跳ぶとは限らないからね。

 しかし、ここで衝撃の展開が起こる。なんと、ましろも零一も未来で起こった出来事を(デジャヴや未来の意識から影響を受けている状態などではなく)確実な記憶として保有している状態になったのだ。これは多世界解釈だと矛盾する。この時間軸の未来のことを体験していないのだから、ましろがそれを記憶として保有しているのはおかしい。現在のましろは事故に遭った世界線ましろとは別人であるから、現在のましろ(最初から事故に遭っていない)が事故に遭った未来で三羽や久遠たちと遊んだ記憶を保有することはない。

 そこでさらに単一世界論に立ちかえる。これだとタイムパラドックスが起こってしまうが、それを自然が解消したとする。単一世界論だとさっき述べたように、ましろは必ず事故に遭う運命となる。現状、ましろが事故に遭っていないということは元々ましろが事故に遭うなんて時間軸がなかったということになるが、それだと零一はどこで事故のことを聞いたんだという矛盾が残る。「ありえたかもしれない未来の出来事」を零一たちに記憶として与えたとするのだ。ちなみにこのあたり、よくわかんなくなったからもう1度プレイし直します……。

 そしてもう1つ。ましろ√のタイムリープは結局どのようにして行われたのか。ウイルスやシンカーはタイムリープの条件ではない(ウイルスが絶滅した世界線やシンカーがが死んだ世界線でもタイムリープは起きたから)。と思いきや、久遠√でやったようにあのときシンカーがサードからセカンドにログインしていた可能性があるから、シンカーがタイムリープの条件ではないとは言い切れないのだ。

 

○ウイルスについて

 いよいよウイルスの詳細がわかってきた。ウイルスはユグドラシルに進行することでアペイリアネットワークの中枢を支配しようとしている。

 

○謎

謎⑯02ルームはどういう存在?

 ユグドラシルにある部屋だということがわかった。だが、なぜタイムリープの途中でユグドラシルの部屋に移動することになるの?セカンドに再現されたアペイリアシステムで零一はアペイリアのオーナーだから?いつかの時間軸でアペイリアが用意してくれた?

 

○名言

「なにかを捨てる覚悟をしなければ、冷静な判断力を失う。見えるものも見えなくなるぞ」byシンカー

 

「思い出せトキメキ、初体験ドキドキ、気持ち良さイキイキ」by零一

 

「だから、ぼくのことは覚えてなくていい……」

「大丈夫だから。記憶は忘れるけど、センパイを好きになった気持ちは、絶対に忘れないはずだから……」

「それだけでぼくは生きていける」

「たとえ時間が巻き戻ったって、ぼくがセンパイとジェットコースターに乗ったことは変わらなくて」

「ぼくがセンパイを好きになったことも、センパイがぼくを好きになってくれたことも」

「なにも変わらないから」byましろ

ココ、けっこう感動シーンデスヨ☆彡

【ゲームの感想】景の海のアペイリア #3

【ゲームの紹介】

 さて、前回に引き続き、景の海のアペイリアです。前回の時点で久遠√・ましろ√ともに終わっていたのですが、分量の都合で記事を分割しました。今回は久遠√の感想を書いていこうと思います。私は久遠√→ましろ√の順で発生したのですが、これは選択肢によるものなんでしょうか。ましろ√から発生する人もいるのかな?3回目なので、ゲームの紹介はサラッと。

 主人公、零一はひょんなことから強いAIであるアペイリアを作り上げてしまう。しかし、オーバーテクノロジーであるアペイリアシステムは零一が予想だにしなかった世界をつくりだし……。

 以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 途中で面白い話が出てきた。スワンプマンについて。恥ずかしながら、この話を知らなかったのだが、個人的には零一と同じ立場だ。オリジナルの男は雷にうたれるまで歩んできた時間があるのに対し、スワンプマンはその時間がない。この来歴の違い・経験の有無により別物だと考える立場だ。ただ、物質的に同じなのだから同一人物だとみなす考え方もわかるし、面白い思考実験だなと思った。スワンプマンとオリジナルが同時に生きていた場合、彼らは寸分違わず同じことを考えるから、意識が2つであるとは言えないというのが空観の意見だったけれど……。実際は、そうではなかったね。スワンプマンの例に関して言うと、もう1つ気になるのが雷。アペイリア誕生の瞬間に、毎回雷が落ちているけれど、実はここにも関係してくるのかな……なんて思ってみたり。

 ということでブックマンのお話。空観はさすがにどこかに関わっているだろうと思っていたけれど、こっちだったか。メタ読みをすれば当てられたのかもしれないが、悔しい。でも、逆に言えばもう空観は関わってこなそうではある。しかし、ブックマンはさすがにかわいそうだなと思った。いきなり自分のアイデンティティを否定されたようなものだもんね。現実世界の空観の方がオリジナル感が強いから、自分は空観ではない借りものだと認めないといけないような状況なのがかわいそう。でも、そんなの簡単に認められないよね。だって空観として歩んできた「記憶」があるもんね。実際に経験してはないのだろうけれど、脳の情報としては体験した「記憶」があるもんね。それが急に「あなたはスワンプマンです。別の人生を歩みなさい。」なんて言われても、切り替えられないよ。「……永久子の意見が聞いてみたい……」という遺言は好き。

⑮シンカーを倒した直後の零一を刺したのは誰?

解決。

 二者択一が難しいみたいな話を前回の記事で書いたけれど、今回は久遠の笑顔を守りたいがために真相に近づく手がかりを放棄するという、ある意味Badendだった。非常に悩ましい判断を迫られていたけれど、だからこそ選択肢にしても面白そうだなと思った。√分岐やシナリオ作成がけっこう大変なことになりそうだけれど。何の根拠もない賭けだから仮に永久子が生存したとしても、それが手がかりを放棄したこととは関係ないかもしれない。とはいえ、手がかりを持っていたからといって、必ず次の世界線で観測者を捕らえることができるとも限らない。不確かなものしかない中で、それでもどちらかを選ばなければならないということで、やはり未来って嫌なものだなと思った。

 今後の展開でやはりキーになってきそうなのはサードなんだよね。こいつがなかなか曲者なの。強制クエストの件もそうだけれど、サードからセカンドのログインできるって設定がかなり重要になってきそう。遺伝子研究所とのつながりもあるし、サードは今後も要注意だね。

 久遠√で1番衝撃的だったのはHシーン。仮想世界と現実世界を行ったり来たりするするHなんて初めてだったよ。「挿れながら咥えさせる」なんてセリフ他じゃ聞けないよね。

 他の√でもそうだけれど、コスモスのところでデザイアの設定をするシーンがめ↑ちゃ癒される。コスモスは無視されて悲しそうだけれど。

 

○ダウトゲーム

 ここにきて再び考え直さなければならなくなった。シンカーは

(1)現実世界の東京からログインしていない

(2)現実世界の日本からログインしていない

(3)一空観である

(4)海外から不正な手段でログインしていない

(5)現実世界の日本以外からログインしていない

(6)セカンドが生み出したAIである

と答えた。普通に考えると(2)と(5)、(3)と(6)が矛盾しているからどちらかの組ではブラフを使っており、もう1つの組は矛盾しているように見えて両立可能な話ということになる。(2)、(5)のペアでブラフを使っていると仮定すると、シンカーは空観でありセカンドが生み出したAIであるということになる。しかし空観自体は現実世界に存在しているからこれは不適切?(3)と(6)でブラフを使った場合、(3)をブラフにしてシンカーがAIであるとしなければ、(2)と(5)を両立させることはできないと思っていたけれど、それ以外の可能性を零一は見出した。現実世界のどこにいるかわからない状態だったらという話だけれど、さすがに模範解答じゃないっぽいから、普通に元通り(3)がブラフの線で考えるか。しかし、零一が別の角度から疑問を持っていた。たばこの吸い殻のことと言い、AIならDNAを隠す必要はないのではという意見。

 

○謎

バウンダリーβテストが1年延びた理由は?

 解決。ましろの事故が発生したのだった。

謎㉙観測者は最初、どうやってアペイリアの存在に気付いた?

 セカンドの存在からアペイリアネットワークには気付けるだろうけれど、そこからアペイリアに到達するには(1)アペイリアネットワークのセキュリティを突破する術を持っている(2)零一の身近な存在であるのどちらかである。(2)だとかなり絞られそうだが……。

謎㉚研究所にあるシンカーの個室の詳細。

 ましろ√を終えてさらにその先に進んでいるから、ある程度、知っているけれど、ここはまだ久遠√の感想記事だからぼやかしておく。遺伝子研究所と一致している理由はわかるけれど、システム外通信ができるのも同じような理由からだろうか。

 

○メモ

人間とチンパンジーの遺伝情報比較98.77%について。

ミスリル

 

○名言

「人の心はDNAにあるのかもしれない」by空観

生命化学に従事する者として、

【ゲームの感想】景の海のアペイリア #2

【ゲームの紹介】

 さて、前回に引き続き景の海のアペイリアです。かなり面白くなってきました。萌えゲーアワード2017準大賞・コンセプトデザイン賞金賞を受賞しているだけはあります。三羽√、久遠√、ましろ√(これらを個別√といってよいのかわからないですが)をクリアしたので、そこまでの感想を書いていこうと思います。と思ましたが、全てまとめて書くとかなりの分量になりそうだったので、とりあえず三羽√の感想だけ書きます。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 まずは三羽√から。テーマの1つである愛(特に親子愛)について。三羽の答えは「誰かが抱きしめてくれること」だった。愛というカタチのないものを具体的な行動で定義するのはなかなか面白い定義の仕方だと思った。これはわかりやすくて良いと思う。三羽が他よりも体の触れ合いを強く求めたり、寂しがりやであったりするのも三羽の出自を知った後だと納得である。「体の隙間がなくなるぐらい、抱きしめてください」ってセリフ好き。

 もう1つ。これはいろいろな場面で出てきたことだけれど、生きるということについて。三羽は「嘘があってもいい。ただ1つくらいは本当のことがないと辛い」というもの。これに関してはめ↑ちゃ共感。自分にだってそういう情愛のようなものが1つくらい向けられていたっていいじゃない(青葉が似たようなことを言っていた)と思って生きている。でも、結局「本当のこと」が自分じゃ判断しにくいから生きづらいなと思う。だからこそ、三羽は愛について「抱きしめてくれること」というわかりやすい基準にしたのかもしれない。そして、生きるということ、意思決定に対して主人公が様々な場面で語っているのが、みんな意外と自動的に生きている、ということ。確かに意思決定の根本にある感情・衝動・意思、そういうものをさらにさかのぼっていけば結局どうしようもないところにたどり着く。好み・性格なども偶然の産物であり、それらから行われる意思決定も偶然の産物であるから、自動的であるという意見。結局、意識なんてものは遠い過去(やこの作品で言うと未来からも)影響を受けているものであって、どこまでが自分で選び取ったものかわからない。確かに、こういう風に考えて、自分の感情さえどうしようもないものなんだと思って生きると、少しは生きやすいのかもしれない。

 三羽√に入る前もそうだったけれど、02ルームから送るべきメールを選択するシーンは面白いなと思った。急にオートプレイが進まなくなって、「ん?もしかして選ばせようとしてる?マジ?」と思ったら、そのマジでありちょっとびっくり。進むにつれて送るべきメールの候補が増えてきて、「これ、間違えたらどうしよう?」なんて思っていたけれど、正解の選択肢以外は遅れないようになっているみたいで(今のところ)、助かった。でも、これで√分岐する美少女ゲがあっても面白そうだなと思った。

 もし自分がタイムリープしたら?と考えたことは誰しもがあるとは思うけれど、どこでタイムリープを終えるか悩むよね。主人公がましろや永久子たちを救ったうえでアペイリアを救う未来を目指したように、全員がハッピーエンドの未来を目指すと思う。しかし、自分は良かれと思って助けたことが後になってより大きな悲劇を招く場合、どちらを選択するかとても悩むと思う。ましてや、どちらか1人しか助けられないと言った二者択一の状況になったらかなり悩む。タイムリープできるのが自分自身だけだとしたら、他人の人生を握っているのも自分ということになるからね。タイムリープする者には大きな責任が付きまとうのだな。三羽の「繰り返すだけじゃだめですか?」という意見も確かによくわかる。というかむしろ、自分の性格を考えたら三羽派だと思う。タイムリープを繰り返し使用可能か、自分が任意のタイミングで発動できるかどうかなどの設定が重要になってくるだろうけれど、もし自分が任意のタイミングで何度でもタイムリープを発動させることができるのであれば、ぼくは三羽のように楽しかった日々を繰り返すだけの人間になると思う。その楽しかった日々に飽きるような言葉あれば、別の楽しかった日々の場所までタイムリープしてそれを繰り返す。決して前に進むことはないけれど、決して後ろに進むこともないのだからそれでよいのではないかと思ってしまう。

 さてEDまで一応たどり着いたけれど、どう考えても完全版のEDではないからもちろんまだまだ途中なのだろう。今、久遠√、ましろ√も終えて進んでいるけれどこのタイムリープが最後のタイムリープになるんじゃないかと思っている。そう考えると、終わりも近い?

 

タイムリープについて

 いろいろとごちゃごちゃしてきたからここらでまとめておきたい。タイムリープの形態として①世界の時間全体が巻き戻った②該当者だけが過去に跳んできた③記憶やメールのみが跳んできたなどが考えられる(もちろんこれ以外にもあるだろうけれど、考えやすいのはこのあたり)。②だと主人公たちが過去の主人公たちに会っているハズだから、②ではなさそう。残る①と③についてだが、タイムリープが起きた後、つまり2045年以降も世界が続いているかどうかについて考える。「もしその先も時間軸が続いているなら02ルームから出た後の記憶や01ファイルが送られてきてもいいはずだ」とのこと……?現状、02ルームから以外で過去にメールを送る方法がないから、その先の時間軸の自分がタイムリープすることがなければ、単純にメールを送る方法がないというだけになると考えるのはナンセンス?③の線でも行けそうな気がするけれど。しかし

・なぜタイムリープ直後、02ルームに移動するのか

・なぜ02ルームからメールを送ると、2044年に届くのか

・なぜサードにログインした場合、2045年の記憶が2044年に送られるのか

などの疑問点を考えると、①の方が説明しやすそうではある。いつもの立場だけれど、説明可能なものがいくつかあるの場合、より簡単にわかりやすく説明できるものを矛盾が生じるまで採用しておく、というのを使う(①を採用する)。タイムリープが起こった後の一時的な隔離場所として02ルームがある。じゃあ、零一以外のタイムリープ者はどこに行っているの?サードにログインすると限定的にタイムリープの影響を受けない領域に設定される、まあこれはよい。タイムリープして2044年の世界が構築されると02ルームから移動するという形。

→じゃあ、意識が未来から影響を受けるって話はどうなるの?

→未来には可能性としての世界が存在し、それから影響を受けている(この作品では意識は量子であるという前提がある)

なんだかすごい屁理屈な気もするけれど、量子論の干渉縞の話を出されるとなんかわかったようなわからないような気分になる(確率にすぎなかった波が干渉して、本来なかった確率を生み出す)。これに関しては、量子論から逃げ続けたぼくが悪いのだけれど。

 またアペイリアネットワークによるタイムリープは可能と回答アリ。実行は禁止されている。ただ、セカンドのルールに従えばそれは可能かもしれない(これに関してはセキュリティの関係で回答ナシ)。

 

○ウイルスについて

 観測者がアペイリア奪取のために送り込んできたゲームシステム外の存在で、量子的な性質を持つ。セキュリティシステムで駆除可能。

・ウイルスに殺された人物はなぜセカンドの住人(脳の情報を複製されたAI)となる?

 

○謎

謎⑤απειριαの名前の由来は?

 解決。古代ギリシャ語で無限という意味らしい。

謎㉓三羽がタイムリープしても記憶が残る理由。しかも長期間。

 人工子宮からバウンダリーにログインしている。セカンドはバウンダリーを参考にして作ったものである。セカンドのサードを制御する端末と同じ端末がバウンダリーにあり、三羽はそれにログインしていたという説。

謎㉔1回目のタイムリープが起きる直前、アペイリアは「――また待ってます」と言っていたけれど、この時点でアペイリアはタイムリープのことを知っていたの?なぜ?

謎㉕シンカーのデザイアの詳細

謎㉖アペイリアがセカンドに囚われる条件は?

 セカンドが存在すること。バウンダリーにログインすること。

謎㉗三羽とのった観覧車が良いタイミングで止まったり動き出したりしたのは誰かの陰謀?

謎㉘シンカーが一度も出会ってない状態の零一にメールを送れたのはなぜ?

 

○名言

「わたしは裏切りたくありません。どの時間軸でも」by三羽

タイムリープしても記憶が残るというのは(タイムリープものは基本的に記憶が残るようになっているものが多いけれど)、なかなか辛いものだと思った。自分が1度でも甘えた選択をした場合、それが一生付きまとうことになるのは辛い。

 

「いくら幸せになるためでも、不幸せを積み重ねるのだけは、やめといた方がいい」

「どんなに大きな幸せが手に入ったからって、帳消しにはならないぞ」by零一

小さな幸せを積み重ねて大きな幸せを手に入れろと言うありがたいお言葉。嫌なことはするなというわけじゃないけれど、不幸にはなるなという話。

会話の記憶にこだわる理由

 友達(だけじゃなくてもいいけれど)との会話はできるだけ覚えようとする。嫌なことは自動的に忘れないようにされるけれど、楽しいことはそうではないからね。たとえば、2年前、友達と遊んだ時の会話を覚えているかと言われたら、覚えてないものの方が多いと思う。楽しかった記憶はあるのに、会話が思い出せないとなると、とても悲しい気分になる。

 会話は一回きりのものだから。同じ状況を完全再現したとしても、同じ会話は生まれない。人間関係は不可逆なものだから。一日一日、あるいはさらに細かく言えば時々刻々と不可逆的に変化していっている。だから、同じ会話はもう2度と生まれない。そんな大切な時間のカケラを忘れてしまうのは、とても悲しいこと。

 だから、できるだけ会話を忘れないようにして、少しでも楽しかった記憶をとどめておきたい。記憶はどうしても美化されてしまうからね。これは一見、良いシステムのように思うけれど、必ずしもそうとは言い切れない。だって、都合の悪い部分、気まずい部分を含めて、そのときの会話だもの。美化されてしまったら、もはや本物の時間のカケラではない。それはそれで悲しい気分になる。

 もしかしたら、その人と会話するのは今が最後かもしれない。会えると思っていた人と2度と会えなくなることが急に来ないなんて、誰にも言い切れない。だから、伝えるべき想いは伝えるべきだし、伝えるべき言葉は伝えるべき。でも、難しい。素直に気持ちを述べることがどれだけ難しいことか。

 小・中・高・大・院ですべて接続が切れているから、程度の深い友人はおらず、どこにも居場所はないのだ。だから、少しでも自分にも好意は向けられていたんだと感じていたい。だから、会話、その記憶を大切にして、それを抱いて生きていきたい。とことん生き抜くつもりだけれど、最終的に、かき集めた大切な時間のカケラを思い返したい。