長月キョウカのあしあと

つれづれなるままに

【ゲームの感想】ふゆから、くるる。(途中経過8)

 さあ、いよいよ終わりが近づ生きたような気がシマス。ユカリと熾火がHするところまで進めたので、そこまでのメモを。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【針を放った人たちの想い】

 どうして夕陽たちに感情を設定したのか?身も蓋もない話をしてしまえば、月角島が言っていたように「たまたまそうなっただけ」ということになる。が、あえて意味を考えてみることにする。これに対して夕陽は素的な解答を考えていた。

「この世界も外の世界も、意識を持つ存在、すべてが、幸せでありますように、という願いです」

なるほど。普通だったら、感情なんてものがあるから辛い思いをしなくちゃならないんだ!ってヤケになってもおかしくないのに、むしろその逆にたどり着けるのが夕陽のえらいところだよね(今、夕陽は壊れてしまっているわけだが)。確かに、意識があるからつらいこともあるけれど、同じように意識がないと幸せを感じることはできないもんね。この後に来る一言

「私達は誰かの、幸せになれ、という願いの中にいるんですよ」

はテーマ(メッセージ)の1つだと思っている。なんか制作者の想いを感じた。生まれてきた全ての存在は幸せになる権利を持っており、それを願われている、そして、そのために意識(感情)がある、という感じだろうか?こういうメッセージは好き。そして、私たちもまたそういう願いを込めて「新しい意識」を生む。そう考えると、けっこう明るいゲームと言えるのでかな。なーんて考えてたら、急に選択肢!何!?なんなの!?間違えたらGame over!?個人的には気持ち悪いとは思っていないけれど、あえて気持ち悪いの方の選択肢を選んでみた(また後でもう1つの方の選択肢も選んでみるが)。ユカリが言っていたが、確かに、言い換えてみれば「幸せになれ!」と無理やり気持ちを押し付けられているとも言える。そう考えると気持ち悪いのかもしれないが、やはり個人的には気持ち悪くない!という思いが強いせいかあまり馴染めなかった。夕陽は「願われてあげるわよ」と思考転換して上手くやっているようだが。

 学園の生徒たちが苦しみを感じているとするならば、それは意識があるからではなく、今、自分が見ている世界を現実だと誤認してしまうからと言った方が適切かもしれない(ただ視点を変えただけのような気がするが)。先ほど述べた考えをすれば

意識がある ⇒ 苦しみ

は正しくない。苦しいのは、今見ている世界が共通幻覚だとわかっていても気が付けばそれを現実だと考えてしまうというところだと思う。そして、自分が人間かどうか疑わしくなってしまうところ。私は、学園の生徒たちは人間であると言っていいと思う。

 

【新たな意識が抱く想い】

 先ほどと話がかぶるところがあるのだが、どんどんズレていきそうだから区切っておいた。生まれてくる新しい意識に、幸せになれという願いを込めるわけだけれど、それを新しい意識はどう受け取るかという問題。夕陽は気持ち悪くないか?とユカリに問うていたね。1番うれしいのは感謝してくれることだけれど、塔子の言うように恨む人だって多いと思う。夕陽は思考転換できたから良かったけれど、できていなかったらよく思ってなかった側だろうし、辛い体験をした人ならそう思ってしまってもおかしくない(あるいは群れの存続に興味のない人も)。にも拘わらず、新しい意識を生み出すのは利己的な行為なのかもしれない。しかし、新しい意識を生むというのは生み出す側にとっても大切な行為なのだ。群れとしての生存を選ぶ理由は、そっちの方が未来があるからであり、それを実感するために新しい意識が必要なのだ。だから、恨まれるかもしれないけれど、利己的な行為かもしれないけれど、でも、自分たちが未来を見ることができるように新しい意識を生む。その分、「幸せでありますように」と本気で祈る。このあたりは塔子と会長がイチャイチャしながら話していたことだけれど、素敵な考え方だと感じた。

 

月角島の心情】

 個人的にけっこう好きなキャラ、月角島(それについて語るのはまた別の機会で)。きっと誰よりも学園のことを考えてきただろうから、変化を受け入れるべきだとわかっているけれど、でもそれを受け入れられない。変化を受け入れなかったら学園皆全滅になってしまうだろうけれど、かといって受け入れるということは学園の皆の意識が消えること(本当の死)を意味する。月角島は仲間のことを大切に思っているから、こっちの方が受け入れられないのだと思う。私も同じような考え方の人間だと思う。しかし、月角島自身、自分の干渉なんかに他の人を巻き込むべきでないとわかっているから表面上は男子の受け入れに賛成するしかない(客観的にはそっちの方が正しいだろうとわかっているから)。ユカリは月角島のこの矛盾した気持ちを考えると不快とは違う嫌な気持ち(憐憫や同情という表現が近い?)になると言っていたね。月角島が部屋に生徒の写真を貼っているのは、そして、5カーネーション分の記憶を持っているのは、それだけ学園のことが、生徒のことが好きだからだと思う。

 

【今後の展開の予想】

 さて、今後どうなっていくんだろうか。もう最終盤に入っているという認識で良いのだろうか?夕陽は真実を知ったからか「空丘島」に名前が変わっていた。ただ、冒頭に出てきたのは「空丘島朝日」であるから、まだ同一人物ではないよね。空丘島と誰かの子どもなんだろうか。熾火とユカリがくっつくことになったから、空丘島と夕陽がくっつくのかな?いやー、そうなる展開は見えないのだけれど。そういえば、空丘島朝日と出会っていたのはしほんに似た子だったよね。あれも誰かと誰かの子どもなんだろうか。夕陽が新しい意識を生み出すためにHをしたら終わり、みたいな感じになると思っているのだが、どうなんだろう?

 

 その他の感想。熾火がユカリとの対決に勝ったときのナイフをあてがってるシーンってopに出てきた一枚絵だよね。こんな後の方だったのか(というかあとどれくらいなんだろう)。

 もはや必要ないと思うが、習慣として登場人物メモを書いておく。

轆轤島…森の賢者の駆逐艦

・古奈際キンシャサ…男の誕生を阻もうとする集団ファーマのリーダー。針を放った人間たちが集中して住んでいた土地が名前の由来(ベルリンと同じタイプ)。しかし、この名付け方の流行り自体は昔だとベルリンは言っていたから、そう考えるとキンシャサは森の賢者にしては長生きなのか?ちなみに、キンシャサコンゴ民主共和国の首都らしい。

 

〇名セリフ

「私、お姉さまに入れたい!」by熾火

おそらく他のゲームでは聞けないであろうセリフ。

「でも、みんなそうなのかもしれない。どんな場所でどんな風に生まれたって、つらい旅をするために意識は生まれるのかもしれないわ」by星都チエミ