長月キョウカのあしあと

つれづれなるままに

【ゲームの感想】喫茶ステラと死神の蝶 ~火打谷愛衣編~

【ゲームの紹介】

 さて、前回に引き続き、喫茶ステラと死神の蝶です。希√→涼音√→ナツメ√ときていて、今回は火打谷愛衣の√をクリアしました。今日はその感想記事です。

 

【感想】

 正直、めちゃめちゃなめてました。すみません!!前回の記事の最後にも書いたように元々サブヒロインだと思っていたので、「まあ大したシナリオやキャラではないだろう」と思っていましたが、全然そんなことはなかったです!フローチャートで涼音√に分岐する部分の逆側は愛衣だと思っていました。「はいはい、この2人がサブヒロインねー」と思っていましたが、完全に勘違いでした。

 まず、虫喰みの瞳が登場した時点で強い衝撃を受けました。「なんか、おまえ鬼太郎みたいやなー、妖気でも察知できるんか?」とこれまで半分ばかにしていましたが、本当に能力者だということがわかり、めちゃ驚きでした。「お前!鬼太郎やったんか!アレン・ウォーカーやったんか!」と画面の前で叫んだ人も多いはず。始める前はあまり気乗りしなかった愛衣√ですが、虫喰みの瞳が出てきて瞬間にめちゃやる気になりました。そういう意味ではやはりシナリオのつかみが上手いなあと思いました。確かに、初めて見たときから「こんな鬼太郎みたいなキャラクター、どの層に人気があるんだろう?」などと侮っていましたが、きちんとその髪型にも訳があるというのは強い衝撃でした。人間関係に悩んで、それを主人公が助けてめでたしめでたし―、的なシナリオを想像していたのですが(実際、人間関係に悩んでいてそれを主人公が助けることにはなるのですが)、それにSF要素が上手く混ぜ込まれていて面白いなあと感嘆していました。

 愛衣について語るべき点といえば、そのまっすぐで元気な性格でしょう。正直、見た目はかなりおとなしそうなキャラクターだと思います(愛衣の中身の記憶を消して、その外見だけに注目してください)。鬼太郎みたいな見た目だし。ただ、元気の良さというのは共通√でバイトに応募してきたときから感じていました。面接の日にもうナツメと仲良くなり、「愛衣って呼んでくださいー」みたいな話までしてるのは、コミュニケーション能力高すぎだろ、と思った。他にも主人公にバイト終わりに家まで送られた後、別れてから走っていくシーンなどがあり元気っ子な一面が見て取れます。ただ、元気なだけでなく「まっすぐ」というのが愛衣のさらに良いところだと思います。自分の身に宿っているよくわからない力を、他人のためになるならと臆せず向き合っていくというのは簡単に見えて、難しいことだと思います。栞那・ミカドから虫喰みの瞳の説明を受けてすぐに「アタシの役目なんだと思います」っていうセリフが出るのは、愛衣の人柄だと思います。瞳の暴走のシーンで主人公も評していましたが「行動力の高さ」も愛衣の取り柄の1つだと思います。

 さて、この愛衣というキャラクターは私のような人間には本当によく刺さると思います。自分でいうのもなんですが、逆張りでひねくれていて、救いようのない性格をしています。こういう人間には「強烈な正攻法」が意外と刺さるということを経験上知っています。愛衣の明るさ、素直さが私の毒を聖なる光で浄化してしまったというわけですね。「せんぱいせんぱーい」って何度も人懐っこく接されたら、そりゃオヂサン好きになっちゃうよというわけです。森の奥に住む怪物が、心の綺麗な少女に優しくされて心を開くのと同じです。美少女ゲの主人公は基本的にひねくれ者ですから(ただ今作の主人公はそこまでひねくれてはない)、同じような理由で愛衣に恋してしまったのですね。先ほども述べましたが愛衣はまっすぐな性格をしていて、物言いもストレートですから、包み隠さず好意をぶつけてきて、それがひねくれ者には良く刺さる。「親戚と話すより先輩と話す方が楽しいですもん」とか言われたらそりゃ好きになっちゃうよ。ひねくれ者ですから、最初のうちはそういった好意をむしろ邪険に扱いたくなるわけです(俺のことを利用しようとしているんじゃないか?騙されはせんぞ。)が、何度も何度もストレートな好意をぶつけられるとパンクしてメロメロになっちゃうというわけですね。さらに、愛衣は褒め上手という最強の武器を持っています。愛衣の中では大げさに褒めてるつもりはないのでしょうが、褒められてる側からすると「大げさな」「さすがにお世辞か?」と思ってしまうぐらい、よく褒めてくれます。愛衣を見ていると、褒め上手というのは対人関係において強い武器だなあと感じました。

 逆に、愛衣が主人公のことを好きになるのもよくわかる気がシマス。一緒に話していて楽しい、バイトで助けてくれるなどなど様々な理由があるかもしれませんが、1番大きな理由は「人生で初めて理解者を得られた」という喜びにあると思います。愛衣は瞳のことについて親からさえ理解を得られずに育ってきたわけですから、瞳について一緒に考え、向き合ってくれる人間を見つけたとなると、心の底からうれしいと思います。もちろん家族仲は悪くないと思いますが、瞳のことについてとなると主人公が世界で初めての理解者ということになるわけですからね。

 ここまで、主人公と愛衣の良好な関係について書いてきましたが、ここで1つだけ主人公の悪口を言っておきたい。勉強会ってことで愛衣の家に行っているのに、勉強会そっちのけでHから入るのはさすがに自分勝手すぎないか、と思ってしまった。もちろんそういう気持ちになるのはしかたないが、愛衣のテストの方を優先すべきだろ!と思ってしまった。

 さて、恒例のお部屋チェックといきましょうか。愛衣はモフモフしたものが好きということもあってか、かなりファンシーな感じの部屋になっています。買いもしない鮫のぬいぐるみを勝手にモフモフしていただけのことはあります。ぬいぐるみをたくさん置いている割には、猫のぬいぐるみが1つもないという。シャンデリアみたいな電気使っているの、お金持ちですね。勉強机あっさりしすぎだろーと思ったのですが、女の子の勉強机ってこれくらいシンプルなもんなんですかね。

 愛衣√のみに限った話ではないのですが、カフェやケーキなどについて細かい知識がいろいろ登場するわけですが、シナリオライターの人は前もってそのあたりをよく調査するもんなんですかね。洋菓子に疎すぎて知らないものが多かったが、その分、勉強になった。家で作ってみたいと思うやつも多かったが、これはまた時間ができたときで。

 愛衣√といえば、やはり終盤の友人との和解のくだりは外せませんね。主人公が(これは自分でも認めていましたが)ずるいやり方で愛衣を立ち上がらせようとするわけですが、愛衣はそれでも主人公のためなら!とすぐに立ち直りました。こういうところは愛衣の強さがよく表れていると思います。そして何よりもこの後のシーンが、めちゃかっこいい。栞那√を終えてないので断言するのはまだ早いという感じではありますが、喫茶ステラと死神の蝶で1番好きな一枚絵はこの「瞳の覚醒」のシーンです(流れている曲も相まってめちゃかっこいい)。始める前はまさかこんなアツイ展開が待っているだなんて思っていませんでした。「てきとうに人間関係のいざこざを解決するんだろうなーハナホジー」なんて思ってた過去の自分を叱りたい。ここまで良いこと(?)を書いておいてなんですが、愛衣の友人のこともちょっとかわいいなと思ってしまった(これは単純に見た目の問題)。あわよくば3人でHしたりして……というむちゃくちゃな展開を期待しましたがもちろんそんなものはなかったです。瞳の覚醒により、愛衣は目の怪我を負ってしまったわけですが、「だ、だよねっ、今気づいた……っ、うー、落ち込みすぎて視野がほんと狭くなってたぁ……!」というセリフが登場します。これに対して、「まあ、実際、目を怪我しているから視野は狭くなってるんですけどね。」っていう超おもんないセリフを思いついたけれど、そんなことを考えているのは自分だけだったよう。

 最後のシーンも好きですよ。これからは逃げることなく、瞳の力を正しく使っていこうという決意を固めるシーンの愛衣は、本当にかっこよかったです。ただ虫喰の瞳の力を使っていくのではなく、行使するのが正しいかどうかを相手との触れ合いの中で考えていくようにするという結論は、良いものだと思いました。正直、蝶関係からは1番遠いところにいる人間かと思っていましたが、むしろめちゃくちゃ関わっていて驚きました。

 最後になってしまったけれど、愛衣の声優、うまいなと思った。調べたけれどあまりよくわからなかったのが残念。

 

【雑談】

 さて、残すところ栞那√のみとなってしまった。しばらくはそれなりに時間が取れそうだから、アニメ、ゲームなど思う存分に楽しみたいと思う。夏空のペルセウス始めました。