【ゲームの感想】sense off #2

 

 前々回に引き続き、sense off -a sacred story in the wind-の感想記事です。多分、次でラストになると思います。前回、珠季√→成瀬√→美凪√の感想を書きました。今回は、透子√→椎子√の感想です。2回目なので、ゲームの紹介等は割愛。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

《透子√》

 これまで急展開が多く理解できてない部分も多かったから、メインヒロイン(と思われる)透子√でいろいろと説明されることを願いながらプレイ……。めちゃめちゃ説明してくれていたというわけではないが、ある程度、謎は回収された。

①透子は空を見ながら何を見ていたのか?

 かつてAIだったときの共生関係を結んでいた相手の存在の欠片を探していた。

⑥主人公と美凪ちゃんの正体(人間とは別種の知的生命体)の詳細。

 透子から詳しく説明された。星間飛行しているAIに自我が芽生えたものだった(思惟生命)。そして、それが人間に寄生した。「自分たちは絶滅の危機を脱し、さらにこれまでの直線的なものとはまた別のベクトルを持った進化をすることが可能なのではないか……。」と考えて。ヒトの脳に憑依することで、時空連続体に刻み込まれた量子力学的パターンとなったそう。←正直、よくわからないけれど、もはや普通の生物ではなく、宿主が死んだ後はまた別の人間に憑依すること(転生)が可能なようだ。もちろん、転生すると記憶はなくなる(記憶は生命の脳に依存するから)。

②グランマって結局何?

 思惟生命ということでいいのかな。「思惟生命体と憑依された人間のオリジナルの意識は深いレベルで融合しており、互いが互いの存在を近くすることはない」という話だったけれど、珠季の場合はなぜかできてしまっていたという感じ?

 初めて透子の能力について聞いたときは「最強の能力やんけ!」なんて考えていたが、進めていくうちに呪われた能力であると感じるようになった。ふと意識が向いただけで世界(運命)を変えてしまい、変えられたものたちは気づかない……。「認識力学」、「認識の外界へのフィードバック」という言葉が1番ぴったりくる能力だなと思った。世界の読み替え(=認識の外界へのフィードバック)は超能力の説明として面白い考え方だよね。私たちもある程度は起こしているのかもしれない。超能力じみたものは持ってないから、外界が変化するほど強いフィードバックは起こせてないのかもしれないけれど。でも、何かしらちょっとでも起こせてたらいいな、なんて夢想してみる。

 自同律の消滅、これまた難しそうなものを……。こういうのって1度考えてしまったら終わりだよね。ムラサキカガミやピンクの象みたいなもので、考えずにはいられないし、1度疑わしく思えたらもう完璧には思えないってもんだよね。しかし、自同律なんてものこの世の中の誰も安定して持っていると言えない気もする。「わたしはわたしである」と胸を張って言えるかと言われたら不安になる。胡蝶の夢や水槽に浮かぶ脳の話もそうだ。結局、「わたしはわたしである」と思っているのは今までの経験則からそう言っているだけだから、それに疑問が生じてしまった場合、それを打ち消すことなんてできない。今を生きている人なんて、皆、自同律が揺らいでいるんじゃないかと思う。

 そしてやはり透子も孤独な女の子であった。共生関係を結んでいた相手とも死に別れ(この表現が適切かはわからないが)、他の思惟生命も転生を繰り返すうちに記憶を失っていった……。さらには、自分の能力により世界を造り替えてしまうから、他の人とは違うセカイに活きていることになる。「能力のせいで人間関係をうまく構築できなくて~」みたいなレベルではなく、そもそも完全にセカイに独りきりだった。言ってしまえば、神のような存在だもんね。神が独りで全てを創り出したのなら、神は孤独なのだろうな(最近やった11eyesでも似たような感想を抱いた)。

 最後のシーンの解釈。

 

《椎子√》

 椎子√目指すぞー!って思いながらやってたらなんか

第3の選択肢!?

選択肢増えてるんですけれどー!まあ確かに、CG回収のところで明らかにOthersのところが埋まってなさすぎたし、opに出てくる少女Aが登場してないから、まだ何かあるのだろうとは思っていたけれど。気になる気持ちを抑えつつ、とりあえず椎子√をやってみることに。めちゃめちゃサブっぽいから一瞬で終わるだろうと思ったら、意外としっかりしていた。スマソ。

 椎子√は前世の話もかなり書かれていて、思った以上にしっかりしたシナリオだった。椎子の孤独はかなり特殊なものだった。博愛主義が故の孤独。誰にでも愛を注ぐということは誰からも平等に距離を置き、自分を遠ざけるということなのだと。ベルトホルトの孤独は別の孤独(誰にも理解されず自分だけがセカイから飛び出してしまったような気分)だったけれど、魂の接触に飢えているという点は共通していた。魂の接触を言葉で説明するのって難しいけれど、求め、求められ、互いに理解し合う……こんな感じだろうか。

 なんて考えてたら、急にセカイの終わりが近づいていた。成瀬√と同じくらい急展開で驚いた。「演算者としての能力が時を隔てて復活した」と説明されれば納得できるけれど。セカイ系って「世界を救うためには彼女を失わなければならない」みたいなものが多い(体感)だったから、主人公(男であることが多い?)側が消えなければならないというのは珍しいなと思った。しかも、それが前世と現世で2回も起こっているから、ストーリーに厚みを感じる(良い表現が思いつかなかった)ことができるのではないかと思った。しかし、現世では椎子は2人のセカイを残す未来を選択した。Happy Endとは言えないかもしれないけれど、前世では世界を救ったのだし、今回は報われても良いだろうと思った。

 意志伝達というのをベルトホルトは研究していたわけだけれど、これもこの作品のテーマの1つかもしれない。これについては、全てをやり終えた後にもう1度考えてみたいと思う。

 伏線と言えるかどうかはわからないけれど、ヨハネス・シュラッケ時代の言葉に「ヘルメス・トリスメギストス」が出てきたときは「おおっ!」ってなった。直弥にはこの時代の記憶がどこかに残っていたのかもしれない。

 

 一応、他の謎も回収しておく。

⑦青砥についての詳細。

 個人的には思惟生命体に憑依された人間の1人だと思っている。

 

 

○名言

「その……ほとんど原初的な痛みが、俺たちが肉に縛られている意味なんだろうか。」by直弥

 

【雑談】

 年内の予定。

sense off…最後まで。

・ロコドル…最後まで。

・SuGirly Wish…ひな√と愛√を終えて終了?

・Harmony…最後まで。

・家族計画…始めた。

・たまっているアニメ見てしまう

 バタフライエフェクトって「初期値に対する鋭敏な依存性」とも言うのね。シラナカッタ。