【ゲームの感想】11eyes-罪と罰と贖いの少女- #1

【ゲームの紹介】

 今回から新シリーズです。Lass(これでラズエルと読むらしい)より2008年4月25日発売の「11eys-罪と罰と贖いの少女-」をプレイしました。かなり前からやってみたいと思っていたゲームなんですよね。opの「Lunatic Tears…」が好きでよく聴いていました。さすがにそろそろ本編をやりたいZE☆と思い、遂に手を出しました。ちょっとだけあらすじ紹介。

 主人公、皐月駆は生きる意味を見出せず、ぼんやりと学園生活を過ごしていた。しかしある日、突如として謎の世界に迷い込むことになる。その世界では空が赤く染まり、黒い月が浮かんでいて、悪意の塊のような化け物が蠢いていた。無事に元の世界に戻ったが黒い月は浮かんだままだった。赤い夜を機に世界が一変してしまった駆は仲間たちとともに、赤い夜の世界で戦うことになる……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 面白かった!とはいってもまだ完全にやりきったわけではないんだよね。おそらくゆかの√に入っていたのだと思う。他のヒロインを攻略するべく、まだまだやっていくつもりだから、感想記事も#5くらいまでになる🦆?

 まず、面白いなと思ったのが世界観・舞台設定。かなり自分の好みに合っていた。とあるシリーズが好きな人間だから、陰陽師、呪術、魔術なんてものが出てくるとウキウキしてしまった。けっこうコテコテな説明パートも多く、SF(に入れていいのか?)が好きな人からしたら楽しかった。復習のために登場した知識は別の記事で取りあげたい。

 次にクロスヴィジョンシステム。始めたときは「なんだこれ!?」ってなっていたけれど、使い方がわかると「なんて革新的なシステムなんだ(2008年発売)!」となった。ゆずソフトフローチャートとはちょっと違うけれど、同じような便利さを感じたね。細かくセーブをしなくても好きなシーンにとびやすいし、時系列がわかりやすい。逆にこのシステムがあるおかげで、行ったり来たりする展開にしても許されるところがあるから、他のゲームも取り入れたらいいのに、と思った。

 そしてキャラクターもみな可愛かった。なんなら攻略対象でない奈月かおりも普通にかわいかった。opなどを見た段階ではてっきり美鈴はもっとタカビーな感じを予想していたのだけれど違った。「不束者ですが何卒」系の古風な女子だった。個人的には美鈴先輩の私服好き。め↑ちゃ好みに合ってる。横文字が平仮名風になっちゃうところとか、顔を赤らめてるシーンとかが好き。腐女子な一面があるのも好き。雪子は様々な小ネタを披露してくれるが、たぶん半分くらいしか拾えなかった……(無知でスマソ)。古畑任三郎に登場する赤い洗面器の話も出てきていたね。アーシアーーーって何のことだろう?

 タイトルの罪と罰と贖いの少女。確かに、考現学部のメンバーは過去に罪(一般的な感覚で見ると)を犯している(賢久は少女ではないけれど)。美鈴は父を斬っているし、ゆかは無意識ではあるが幻灯結界の能力により集団パニック事件を起こした。雪子は数えきれないほどの命を奪ってきたし、賢久は実の父親を殺した。みな罪を背負っており、罰を受け贖うべき存在と言える(全て情状酌量の範囲だと思うけれど)。そう考えると、菊理も過去に人の命を奪うような何かを起こしているのだろうか?菊理に関する詳細はまだまだわからないところだらけだね。リーゼロッテも罪と罰と贖いの少女に含まれるか。

 作品のテーマの1つとして感じたのは、理不尽な世界を生きるということ。作品内で様々な理不尽が登場した。家庭環境などの辛い現実、突如として主人公たちの世界を脅かし始めた赤い夜、罪もないのに巻き込まれてしまった紛争……などなど。ヴェラードもそんな理不尽に対して、強い気持ちを露わにしていた。

「何ゆえに、この世界は理不尽な悲劇に終わりはなく、悪徳は栄え、苦痛や絶望が満ち溢れているのか?!」

これに対する駆の解答が

「どんなに世界が穢れていて、理不尽で、不完全でも―――それを理由にすべてを終わりにしようとするなんて間違っている……!」

「理不尽が許せないのは……果てしない悲劇に憤るのは……」

「心の底から……!幸せな世界を望んでるからじゃないのかよ……ッ!!」

ということだ。

時には目を逸らしてしまいたいほどに世界は残酷で、理不尽だけど、それでも現実に立ち向かわなければ、自分たちの望む未来は手に入らない。

世界の理不尽に屈し、諦めてはいけないし、かといって世界を呪う方向に走ってもいけない。それでも立ち向かうんだ!そして、どんなに理不尽が蔓延っていても、繰り返し幸せな明日を望むというのが人類の変わらぬ願いなのだ!という強いメッセージを受け取った!また、普段の日常生活も戦場である。

「生きることは、つまり、自分の生きたいように生きるために戦うということ。それには理由も言い訳も必要ないと思う」

「最後の瞬間まで足掻く。生き足掻いてみせる……」

と美鈴も言っていた。こういう精神かなり好き。私も見習っていきたいと思う。

 ちなみに黒騎士の中で1番好きなキャラクターはアケディア(書架のベネディクス・書架のスコラスティカ)。「Verba volan, scripta manent(ウェルバ・ウォラント・スクリプタ・マネント)」とはラテン語で「言葉は飛び去るが、書かれた文字はとどまる」という意味らしい。なんのこっちゃ。

 とりあえず最後まで進めたは良いものの謎が残る終わり方だった。菊理が何か施したようだが、何をしたのだろう。ゆかの看病をしているときに

「この子も……駆くんのことを愛してる」

とあったように、駆に対して愛情を向けているのも気になる。

 BadEndではあったが、美鈴とのHシーンは良かった。興奮したというのが1つ。Hなことから遠いキャラクターだから余計に興奮するよネ。1週間に1回という生々しさがすごい。そして、終末感が強いというのも良かった。セカイ系の最後という感じがするよね(11eyesセカイ系ではないか)。まさかBadEndになるとは思わなかったけれど、確かによくよく考えたら現実逃避的だもんね。

「理性とともに、希望も未来もかなぐり捨てて。」

美鈴の正規√はこんな逃避的であってほしくない。ただ、これも1つきれいな終わり方ではあったと思う(もちろん本編もきれいではあったけれど。というか全ての√をまだ終えられてないから語るのは早いような気もするのだけれど)。

 操から真実を告げられた後の過ごし方は、それぞれのキャラ(性格)が出ていて、面白かったね。ゆかは予想通り逃避的だったし、美鈴はこちらの選択で変えることができた。菊理がどういう心境だったのか気になるね。

 ストーリーを一通りクリアしたものの、まだまだ分かってないことが多いから、謎としてまとめておく。

謎①駆の姉はなぜ自殺したのか?

謎②駆の姉の能力とは?

謎③駆の姉と菊理の関係は?

謎④なぜ虚無の欠片は虹稜館学園に集まっていたのか?

謎⑤彩子は何者?

 ストリートチルドレン同様だった賢久を突然拾ったのもすごいよね。賢久は彩子が唯一触れさせない自分の子ども時代に何か理由がありそうな気がすると推測していたけれど。

 発売が2008年ということもあって、ところどころ時代を感じるところがあって面白かった。写メ、「アカイソラ」など。考現学部の部室にはもやしもんやサッチーがあって面白かった。他にごちゃごちゃ置いてあるやつもきっと何かの品なんだとは思う。

 どうやら調べてみたところ、前作の「3days~満ちてゆく刻の彼方で~」とけっこうつながりがあるらしい。広原月子が登場するらしい。間宮家のこととかより詳しく出てくるのだろうか?廊下を歩いているシーンで「ずっと本を読んでそうな……案の定、眼鏡をかけた人」が出てくるのだが、結局、本編でこれ以上触れられることはなかった。これも何かのキャラクターなのだろうか?劫の目に連なる者の中に草壁遼一がいたようだけれど、この草壁遼一というのも3daysの方で登場するらしい。

 

〇名セリフ

「パソコン持ってるのにエ〇ゲ―をやらないなんて、ぶっちゃけあり得なーい!

「どんだけーあり得ないかと言うと、透明人間になったのに女湯を覗かないぐらい?」by匡

同意!こんなにも名作であふれているのに(トンデモ作品も溢れているけれど)、やらないなんて損してるヨ!

 

「いいんですよ、先輩。誰でも人に言えない秘密の千個や二千個持ってますから」by雪子

日常会話にどうぞ。

 

「(うぬぼれは愚か者につきものだ、という言葉を受けて)愚か者で結構。多少、うぬぼれるぐらい自信を持ってる方が丁度いいんだよ。他人の評価なんぞ、無視無視」by賢久

生きていくうえで大切なマインド。