【ゲームの感想】時計仕掛けのレイラインー朝霧に散る花ー#7

【ゲームの紹介】

 さて、今回が最後になります「時計仕掛けのレイラインー朝霧に散る花ー」です。今回はシリーズ全体を通しての感想といつも通りまとめの内容を書いて終わりにしたいと思います。最後ですから、あらすじ紹介も再び書いておきます。

 夜の世界の秘密を解き明かし、学園長たちの陰謀を阻止した主人公たち。しかし、学園長は逃亡したままであり、おまるを救うこともまだできていない。事態を解決するために主人公たちは20年前の謎に挑む!それがたとえ苦しみを伴う行為であったとしても……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 ではまず、シリーズ全体を通しての感想から。前から繰り返し述べているがシリーズものならではの良さがあった。具体的に言うと触れ合っている時間が長いこと。「それだったら単純にゲーム時間の長い美少女ゲをやればいいじゃないか!」と言われるかもしれないが、そういうわけではない。たとえば「プレイ時間50時間のものをやるぞ!」となった場合、確かにプレイ時間は長いかもしれないが1日5時間ずつ進めていけば10日で終わることになる。それに対してシリーズものだと第1作を終えたとしても第2作の発売までに時間があるため、待たなければならないのだ。悪く言えば、単純に待たされているだけなんだけれど。しかし、このように現実世界で待たされている時間、焦らされている時間があるから、よりそのゲームと付き合う(意識している)時間が長くなるのだ。実際、今回の時計仕掛けのレイラインは、第1部の発売が2012年7月27日で第3部の発売が2015年1月30日(合ってる?)だから917日も触れ合うことになったのだ(ちなみにエロゲ批評空間で調べてみたら、黄昏時の境界線のプレイ時間が12時間、残影の夜が明ける時のプレイ時間が15時間、朝霧に散る花のプレイ時間が15時間の計42時間だからそもそもけっこう長めのゲームなのだ)!当時のプレイヤーからしたら早く続編出してくれーってなっていたに違いない。触れ合っている時間が長くなることが、具体的にどう良いのかという点に話を移す。

 まず第一に達成感・感動(・カタルシス)が大きくなるということ。別にクリアするのが難しいゲームではないけれど、それでも長い時間触れ合ってきたものが遂に完結したんだ!となると達成感は大きいと思う。実際、私は当時プレイしていたわけではないが、いつもより達成感は大きく感じた。

 第二に追体験ができること。美少女ゲに限らずゲーム全般そうだと思うが、物語内のキャラクターに入り込めれば入り込めるほど、そのゲームは楽しくなると思う。触れ合っている時間が長いから徐々に徐々に主人公たちが仲を深めていく部分を追体験することができた。前の記事にも書いたけれど、モー子に指輪をはめたときは本当に感動した。黄昏時の境界線では本当にツンツンした女の子だったからね。それが幾多の困難を乗り越えるうちにここまで仲良くなれたのだと思うと、感動せずにはいられない。モー子以外に関してもそう。第1部で出会ったばかりのことを思い出すと、なんだかくすぐったい気分になる。

 シリーズものならではの話はこんなもんにしておいて。キャラクターの良さというのも大きかったと思う。不快になるキャラクターはおらず、どのキャラクタも―も必要で、かつ上手く相互作用し合っていたと思う。第2部で別方面から刺激を与えるためにドイツ組の2人は良い役割を果たしていたし、射場、七番も第3部で大切なはたらきをしていた。アーリックに関しては突然出てきた感があったが、(以前の記事にも書いたが)展開上必要なキャラクターではあったと思う。そして何といっても、おまる。メインヒロイン(ヒロインではないのだが)と言っても良いくらいだと思う。第1部で一緒に冒険し、第2部の最後で衝撃の真実から別れをすることになり、第3部で主人公たちが諦めずに戦い続けた結果再び会うことに成功する……こんなんメインヒロインよ。主人公の男友達枠でここまで好きになったキャラクターはいないと思う。

 この作品のテーマの1つは「好きな人に会いたいという想い」だと思う(全然ちげぇよと言われたら悲しいが)。モー子は睦月に会いたいから天秤瑠璃学園にやってきてトクサを復活させた。セディも命令された部分もあったが、射場に再び会いたいと思って夜の世界をつくりだしていた。主人公たちはおまるに再び会うために幾多の困難を乗り越えた。こんな感じで誰しもが誰かに会いたいという想いを抱えていて、そのおかげで力を合わせることができ良い未来を掴み取ることができたのではないかと思う。このテーマは黄昏時の境界線のopの時点でめちゃめちゃ前面に出されていたと思う。「君に会いたくて」、よくあるテーマではあるが、感動した。

 このままだといつまでもダラダラかいてしまいそうだから、そろそろまとめの部分に入る。いろいろ考えたけれど「時計仕掛けのレイライン」が何を指すかわかんなかった。もう少し脳みそが回る日に考え直してみたいと思う。

 

【項目別】

 いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。

《①シナリオ》

 ★10です。昔から金田一とかが好きなのでこういう学園探偵ものは好みなのかもしれません。シナリオについての感想は今まで散々述べてきているので、ここでは省きます。記憶を消してもう1度やってみたいと言えると思います。

 

《②グラフィック》

 ★7です。これは毎回同じなので特に変わらずです。最初は「独特なタッチだなー」とか思っていましたが、今になると「レイラインはこうでなくちゃ!」という気がシマス。StandCGモードでけっこう遊んでいますが、楽しいデスヨ。

 

《③H度》

 ★7です。正直、シナリオ重視のゲームなのであまりHをあてにしない方が良いと思います。とはいえ、今回は最終作ということもあってHシーンが多かったですね。慣れてきたせいか、けっこうお世話になることができる気がしてきました。

 ただ差分はあまり多くないです(モー子&睦月のところはそれなりにありましたが)。カメラの動きにより何とか変化を付けようとしている感じはあります。

 

《④システム》

 ★8です。これも前回と同じです。

 

《⑤サウンド

 ★10です。第3部までやり終えましたが、やはり「黄昏時の境界線」が1番好きですね。ただ、残影の夜が明ける時や朝霧に散る花のopもかなり好きです。もうすべてクリアしたにもかかわらず、opムービーを3つ通して見て遊んでいます。夜の世界に変わるときの音楽も好きデスヨ。制作者のコメントがついているのも面白くて良いですね。

 

 以上、★42/50でした。自分の中に強い印象を残してくれたゲームでした。オススメの作品を聞かれたときに名前をあげたいゲームですね。面白かった!