【ゲームの感想】時計仕掛けのレイラインー残影の夜が明ける時ー#1

【ゲームの紹介】

 さて、前回に引き続きレイラインシリーズです。今回はその第2部となる「残影の夜が明ける時」の感想記事になります。正直、第1部だけでは物足りないところが多かったのですが、第2部からはかなり物語が奥深くまで進みました。黄昏時の境界線は2012年7月27日発売で、残影の夜が明ける時は2013年1月25日発売なので、リアルタイムでやっていた人たちは半年くらい待っていたというわけですね(思ったより短い)。Episode Ushioに入ったところまで進めたので、とりあえずそこまでの感想。ちょっとだけあらすじ紹介。

  山奥にそびえたつ謎の学園に入学することになった主人公。入学直後から次々と奇妙な出来事に巻き込まれる。なんと、この学園では魔術が生きていたのだ!主人公は、様々な怪異を解決する部署、特殊事案調査分室に配属される。昼と夜、2つの世界を持つ学園で巻き起こる奇怪な事件に立ち向かっていく……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 第2部もあまり物語は進まない感じかー、にゃ~んだ。なんて思っていたら!最後の章で怒涛の展開がやってきて驚いた。第6章の緊迫感と勢いがすごかった。主人公の正体、満流の登場、おまるの正体、睦月の登場、夜の世界の謎、学園長の正体、もも先輩の正体、モルフィの正体、ヴァインヴェルガー家の真相……などなど、これらをすべて回収してくるんだから、驚きの連続だった。画面の前で「えーっ!」って叫んでることも多かった。せっかくだから、第6章の内容から感想を書いていって、細かいことは後にまわす。

 おまるーーー!!!まさかの正体であった。ヒロインでもないキャラクターに泣かされることになるとは思っていなかった。指輪に魔力を注ぎ込んだときは「やるじゃん!覚醒シーンを与えてもらったおかげで、存在を示すことができたじゃん!」なんて言っていた自分を後になって責めた。第1部のときから潜在魔力が高いということを言われていたけれど、そりゃそうだ。冗談はさておき、おまる自体はトクサにとって重要な人物であったと思う。能力面で見れば役に立たないことも多かったかもしれないが(とはいえ、ヤヌスの鍵は使える)、モー子と主人公という癖の強い2人の間に挟まれるのは、おまるの人柄があってこそだと思う。モー子と主人公だけなら、第1部の時点で仲違いしてトクサが瓦解してそうだもんね。ここまで他人の気持ちに寄り添える人物もなかなかいないのではないかというくらい優しい人物だった。魔法陣を破壊するのをためらってしまった主人公に対して1番最初に飛びついたのは、おまるなんだもんね。さらに言えば、真実を知ってなお学園長に対して「思い直してくれませんか!?こんなこと、もうやめましょう!?」と詰め寄っていた。自分だったら絶対できてなかったと思う。自分が誰かを犠牲にして生きているのは良くないことだと思っていても、それでも今持っているものを全て捨て去ることなんてなかなかできない。

 おまるが真実に気づくことになった流れも自然で良かったと思う。というかそれをやりたかったために、暗示の魔法陣が出てくるような展開にしたのかもしれない。暗示が解けてからのおまるの気持ちを考えると、いたたまれない気持ちになる。第3部でおまるが再登場することになったら(なんか可能性出てきたよね)、泣いてしまうかもしれない(おそらく主人公たちも泣いているだろうが)。

 おまるー!→睦月!?→エンディングの怒涛の流れで頭がファーッってなった。しかも、エンディングで1番最初に出てくるのが、指輪に魔力を込めてるときのおまるなんだよね。こんなん、泣かせに来てるよね。

 これまたシリーズものならではの良さだと思うが、魔法陣を破壊するときに主人公がためらう気持ちにめ↑ちゃ共感できたのが良かった。シリーズものということもあって、それだけキャラクターと接している時間が長くなり思い入れも強くなるからね。それだったらシリーズものじゃなくても単純に長いゲームだったらいいじゃないかと思われるかもしれないが、そうではない。確かに、総プレイ時間55時間でずっと登場するキャラクターとなると思い入れが強くなるかもしれないが、シリーズものと違うのはリアルタイムでの経過時間なのだ。長いゲームであったとしてもプレイヤーはどんどん進めてしまうから、実際に日数はそんなに経たない。しかし、シリーズものだと良くも悪くもタイトル間の空白期間があるから、自然と日数が長くなるのだ。それにより思い入れがより強くなるのではないかと思う(まあ、今回は3本パックを買っているからあまり関係ないのだけれど)。正直、風呂屋町がフラッシュバックしたとき、ウルウルしちゃった。よりにもよって、風呂屋町に支えてもらったシーンを出してくるなんて(まあ、主人公がフラッシュバックしてるシーンだから、そりゃ、主人公にとって印象深いシーンが出てくるのだけれど)!

 始める前に気になっていたのは、どの世界線から連続しているのかということ。黄昏時の境界線ではそれぞれのヒロインとくっつくという(モー子とは付き合っていたわけではないが)3つの世界線があったが、そのどれと連絡しているのだろうと思っていたけれど、モー子√と繋がっていると考えて良さそう。キュンキュンしたのはモー子があからさまな嫉妬心を見せるシーンが出てきたということ。普段ツンケンしてるくせに、ふとしたときに嫉妬心を見せられると、惚れちゃうね。モー子と主人公が醸し出す雰囲気はもはや夫婦みたいなときがあって、微笑ましいなと思った(ということは第三者視点で楽しんでいる状態なのか、と自覚)。

 ここからは順番通りにふりかえる。

 まず最初に面白いなと思ったのが、前回までのあらすじコーナーね。シリーズものならではだなと思った。今まで、シリーズものをやったことがなかったから新鮮だった。第3部のあらすじコーナーは誰が務めるんだろう?おまるも学園長もいなくなってしまったわけだからね。まあ、ギャグパートということで登場してもおかしくないけれど。

 香水編。こんな同人誌みたいな展開するんかいなと思ったけれど、導入にはちょうど良いのかもしれない。1つ気になったのは、村雲が鍔姫と自分とスミちゃんの分の食事を食堂からとってきたということ。3人分の食事なんてそう気軽に運べるものなのか?まあ、スミちゃんはあまりたくさん食べそうにないから、量は多くなかったのかな?

 黄昏時の境界線のときから思っていたのだけれど、チャプターの間に挟まれる↓の画像。真ん中の歯車絶対いらないでしょ!

働いていない歯車がいるぞ!

 ずっと気になっていたのだが、あの学園長のことならトクサの部屋に監視装置くらいつけておいてもおかしくなくない?魔術的な盗聴装置とかがあってもおかしくないのだけれど。主人公サイドは「学園側にはバレてないハズ!」とわりと自信ありそうだったけれど、盗聴・監視の可能性についてもっと警戒するのかと思っていた。まあ、鍔姫ちゃんが反応してなかったというのも自信の根拠になるのかなあ。

 もう1つ気になったこと。20年前の風呂屋町の絵を発見するシーン。トクサが倉庫に向かうまでの流れが少し強引な気がした。春日がどんくさいやつだからということはわかるけれど、なんかちょっと強引な感じがするんだよなあ。というか、トクサのみんななら倉庫くらい先に調べてそうなもんだけれど。発売とか開発が2012年だったということもあって20年前は1992年ということなんだね(今からすると30年前になるのか、時の流れは感じたくないものね)。

 スミちゃんの部屋でみんなでお茶会をするときの一枚絵好き。静春はちゃんとスミちゃんの横に位置取りをしていて、微笑ましかった。魔力を込めるときに4人が画面に並ぶシーンもかっこよくて好き。

 以前挙げていた謎の回収。

謎①学園長の正体

 解決。個人的にはかなり好きなキャラクターだから最後まで活躍してほしい。ただ、オコジョの正体は不明。最後の学園長の話し方的に主に当たるのかな?となると、クラールラズリット?とは限らないか。そういえば!クラールラズリットは赤い眼の魔女(強力な力を持った魔女)ということだったけれど、一くんも赤い眼じゃないか!

 ちっちゃくなった学園長可愛かった。学園長をHな目線で見ることはないけれど、単純にかわいいからいっぱい登場してほしい。

謎⑤リトの正体

 人間じゃないだろうとは思っていたけれど、お前もホムンクルスかーい(ホムンクルス多すぎ問題)!まるでインデックスみたいと言っていたけれど、本当に目録だった。本名「リトグラフィエ・ラズリット」のリトグラフィエってlithography(石版印刷)からきているのか?英語じゃないだろうけれど。リト以外の呼び方をするのは、クラールラズリット本人だろうか。学園長はリトと呼んでいたね。まあリトとのHシーンはないだろうということがわかった。

謎⑥睦月の行方

 これまた意外な答えだった。第1部の時の「ヤヌスの鍵は無効だった」がさらにミスリードになっていたとは。面白い!ただ、睦月が学園に来た目的はまだ明かされていない。ただ、冒頭で「何かの力で仲良くなったんじゃないんだね」的な会話をリトとしていた人物がいて、それが睦月なのではないかと思う。その確認が学園に来た目的?

 睦月自身も言っていたけれど、これから睦月を眺めるたびに複雑な気持ちになってしまうね。しかも、夢の世界を探検していたときに、もう答えは出ていたのか……。今思うとあれは、見た目をごまかす魔術を解除できる水だったの🦆。

謎⑦眠子たちが迷い込んだ世界は結局、何?

 時計塔から繋がっている異空間のこと。東寮の真下に位置するらしい。魔法陣はやはり複雑なものであった。しかし、まだ何か役割が隠されていそうな気もする。空に歯車みたいなのがあったと思うのだけれど。

謎⑧20年前に学園で起きた大きな事件とは?

 これに関してはまだ謎の部分も多い。落雷により火事が起こり、クラールラズリット含め、生徒たちが死亡・行方不明扱いとなった(そして行方不明者のリストのみ消されている)、ということだけわかった。と思いきや!最後にモー子がひらめいた!遺体がないのだ。20年前の事故の死者から抜き出した魂を捕らえてどこかに閉じ込めてあるのではないかと考えていたけれど、遺体がないというのであればもう1つ可能性が浮かび上がる。ラズリットの時を止める力により、生きたまま時を停止させられているのではないか。さらに言えば、ラズリットブロッドストーンにさせられているのではないか。この20年前の事故が第3部の主題になりそうね。

謎⑨主人公の病気の詳細

 病気の詳細は明らかになっていないが、主人公についていろいろなことがわかった。確かに、言われてみれば火傷の痕が1つも残ってないのはおかしなことだね。気づくべきだった。ホムンクルスの部分もあり人間の部分もある。そんな歪な存在だから生じた病気なのだろうか。この「ホムンクルスと人間が混在した存在」というのは第3部でも鍵になってきそうね。

謎⑩夜の世界の詳細

 解決。夜の世界があるのはやはり黄昏時をつくるためだけではなかった。スッキリ!夜の世界については全容が明らかになったと言っていい?もう鐘もならなくなったし夜の世界も来なくなったって言っていたしね。となると第3部は20年前の事件だけがテーマになるのかな?学園長が「楽園からの旅人」と表現していたのは気になるが……。もう少しだけ第3部で説明がありそうだ。

謎⑪学校七不思議、どこかで出てくるでしょ?

 そんなことはなかった。とはいえ、さらにいくつか噂が出てきたからメモしておく。

・ピンクの水玉の人魂

・中庭に誰も植えた覚えがない花が咲いている

・壊された彫像が夜な夜な泣いている

 ここからは新たに加える謎。

謎⑮なぜ図書室は地下にあるのか?

 遺品を保管する宝物庫を地下に作りたく、さらに近くにリトを配置しておきたかったのかな?

謎⑯なぜ特査分室も地下の図書館の奥にあるのか?

 一般生徒には秘密の仕事を行うことが多いから?

謎⑰火事のシーンで満流以外に見えた人影は何か?

 夢の世界で主人公がトラウマにとらわれているときに見た人影は?火事の時の実際の状況があまり詳しく明かされていないので、まだあんまりわからない。火事の話も第3部で回収されそうね。

謎⑱主人公に語りかけた謎の声の主は誰?

 暗示魔術のとき「耳を貸してはいけない」、宝物庫を前にしたとき「あなたなら、入れる」と語りかけていたのは誰なんだろう?満流ではないだろうし。

謎⑲ラズリットブロッドストーンの詳細

 ただの魔石かと思っていたが、どうやらそうではないっぽい。20年前の生徒そのものなのだろうか。20年前よりさらに前はどこに保存していたのか、ではなく、そもそも大量のラズリットブロッドストーンは20年前に作られたと考えて良いか?

 

〇登場した遺品

モルフェウスの石…好きな夢を見られる遺品で、問いかけによって眠っている他人をも夢の世界に引きずり込んでしまう。

・ヴァーグネルケース…ホムンクルスをつくるためのトランク型の遺品。

・ピスキー・カプレット…人間を小さくするランプ。しかし、回収されたランプは別の遺品だった(リトは聞かれなかったから答えなかったけれど)。

 

〇その他メモ

ホムンクルス…魂を持たない、宿ることもない。魔力は魂そのもの。つまり、ホムンクルスは魔力を持たない。

 

〇名セリフ

「誰かを犠牲にして蘇ったって……嬉しくないよ!そんなの間違ってるよ!」by烏丸小太郎

これを言い切ることができるのが、おまるの良いところであり、強いところだと思う。

 

「河童と天狗に押されてそっちに行けないー!」by鍔姫

他では聞くことがないであろうセリフ。

 

「頭のどこか片隅で、冷静なもう一人の自分がひどく驚いていたけれど、私は気付かなかったふりをした。」by憂緒

こうやって考えると、モー子と主人公の仲もかなり深まりましたね。