【ゲームの感想】時計仕掛けのレイラインー黄昏時の境界線ー

【ゲームの紹介】

 始まりました、新シリーズ「時計仕掛けのレイライン」シリーズです。opで使われている曲がめちゃめちゃ好きで、ずっとやってみたいと思っていたんですよね。この夏、Fanzaのサマーセールで3本パックのものを買いました(つまり、この先しばらくはレイラインシリーズをやることになりそうです)。今回はその第1作である(全部で3部作)『時計仕掛けのレイラインー黄昏時の境界線ー』をやりました。普段だったら、複数記事にわたって感想を書くことが多いのですが、今回はこの記事1つにまとめたいと思います(理由は後述)。ちょっとだけあらすじ紹介。

 山奥にそびえたつ謎の学園に入学することになった主人公。入学直後から次々と奇妙な出来事に巻き込まれる。なんと、この学園では魔術が生きていたのだ!主人公は、様々な怪異を解決する部署、特殊事案調査分室に配属される。昼と夜、2つの世界を持つ学園で巻き起こる奇怪な事件に立ち向かっていく……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 思った以上に短かった!完全にシリーズもの前提だね。まだまだ触れられてないところも多かったし、残りの2作でどういう風に回収されていくのか期待!普通だったら、個別√ごとに記事を書くが、個別√もかなり短かったので、今回はこの記事に全てをまとめることにする。

《全体の感想》

わりとミステリー路線強めでいくんやなあ。こっから展開していくんや?

→Thanks for playing.     ファッッ!?もう終わり?

初めての結果(ハズカシ)

ゑ??

いやまあ、確かにね?元々、頭がキレるほうでもないし、寝落ちしかけていた部分もあったよ!にしても、これは恥ずかしい……。ちなみに、憂緒を助けるときに「様子を見る」(即死選択肢?)を選んでBadEndに行ってしまい、最初はゴールすらできませんでした。なんかでも、こういうシステム面白いなあと思いました。ミステリーもののゲームではしばしばありますよね。『ダブルキャスト』とか『金田一少年の事件簿 星見島悲しみの復讐鬼』とかを思い出した。さすがに、これは恥ずかしいと思ってやり直したら、鍔姫√に入ってしまった(その感想は後で)。結局、鍔姫√→憂緒√→眠子√とやることになった。どこまでが共通√かわからないが、個別√の感想より先に、全体を通しての感想を書く。ちなみに真剣にやった2回目は……

おめ!

やったぜ!さらに面白いシステムだなあと思ったのが、ここでご褒美の壁紙をもらえること。今まで、こんなシステム体験したことなかったのだが、面白いシステムだと思った!謎を解き明かす系のノベルゲームは取り入れやすいと思うから、他のゲームも取り入れてほしいなあと思った。

評価Eもゲット!

念のため、わざと選択肢を全て間違えるというやり方で進めてみたところ評価Eを獲得することができた。さらに、お説教壁紙をもらうこともできた!念のためにやっておいて良かった!

 主人公の正体に関しては、まんまとやられたなあ!という感じだった。一人称視点だからこそだよね!正直、主人公の正体(実際は成人してること、病気のこと)には納得した。むしろ、こういう事情が隠れてないと不自然だった。というのは、体がごついからだ!偏見かもしれないが、美少女ゲの主人公はなよなよした細いやつが多い(そのくせ重要な場面では、力を見せて女を落とすのだから、ちょっとウザさすら覚える)。だから、立ち姿が出てきたとき少し驚いた。わっ!ごつい系やん!ってね。

 立ち絵鑑賞モードも遊び心がいくつか見えて面白かった。久美子のプリセットがこれなのも面白いし、アンリ・シェブロとかの立ち絵があるのも笑っちゃった。

 

〇気になったこと

謎①学園長の正体

 結局、学園長についても何もわからず終わってしまった。かなり悪いやつだと思うのだけれど。まだたくさんの隠し事をしているに違いない!コルウス・アルブスの羽がささったときよく見てみたら、オコジョの方には刺さっていない。つまり、オコジョが本体なら学園長はなんら影響を受けていなかったのだ!となる気がする……。

謎②村雲兄弟の名前

 静春でしずか、春霞でかすみって普通、違和感あるよね。どっちも「春」なくても読めそうだけれど。静春に関しては最初、「静香」と見間違えたのかと思って何度も確認したもん。何かの伏線なんだろうか。

謎③主人公の過去(火事)

 主人公は過去に家族で火事に巻き込まれ、それが原因で火がトラウマになったわけだけれど、結局、その火事について細かく明かされることはなかった。主人公の弟の満流の魔力が暴走した結果なのだろうか?

謎④本物の満流は今、どこで何をしている?

 今は、普通に家にいて、普通の学校に通って生活しているのだろうか?

謎⑤リトの正体

 結局、何者なんだ!今の段階だったら、図書館に収められている本を全て覚えているような感じで(まるでインデックス)、ed後に裁定を下してくれる人って印象しかないんだけれど。質問のしかたを考えないと、求める答えを出してくれないという厄介なしくみもあるし。そもそも人間なのか?「だいたいの人は私のことをリトと呼ぶ」と言っていたが、本名は何なのだろう。だいたいの人ってことは例外がいるわけだけれど、学園長だろうか?

謎⑥睦月の行方

 結局、何も解決しなかった。というか、この事件が本題な気がするから、解決されるとしたら第3作になるのだろうか。憂緒がヤヌスの鍵を使ったが無効だったということは、既に死亡しているか、効果の及びない場所にいるかのどちらかということまではわかったが……。そもそも睦月が学園に来た目的は何なのだろうか。

謎⑦眠子たちが迷い込んだ世界は結局、何?

 あの奇妙な世界は結局、何のためのものなんだろう?塔みたいなものの1番上で、鍔姫と春霞は儀式をしていたけれど、本当にそれだけのためのものなんだろうか。特に、塔みたいなものにはまだ隠された意味がありそうな気がするのだが。空に歯車あったけれど、あれについても触れられずだしね。ちょっとだけ少女革命ウテナを思い出した。

謎⑧20年前に学園で起きた大きな事件とは?

 この事件のせいで学園は建て替えられることになったと言っていたが、一体、どんな事件だったのだろう?20年前というと、ほとんどの登場人物はまだ生まれてない頃だろうし。

謎⑨主人公の病気の詳細

 憂緒の計略により、主人公が真実を話した。でも、この病気、まだ何か隠されていそうなんだよな。

謎⑩夜の世界の詳細

 黄昏時をつくりだすために夜の世界があるという話だったけれど、本当にそれだけなのだろうか。そもそも夜の世界の生徒たちはどこから来てるのか?夜の世界の生徒が朝まで校舎に残っていたらどうなるのか?住人たちは夜の世界に対してどういう認識なのだろうか(少なくとも眠子は夜の世界と昼の世界のことについてあまりピンと来ていなかった)?ハザマタウンとウラハザマタウンみたいなもの?

 もう1つ疑問なのが(ほぼ同じことだから、この項目にまとめたが)、夜の生徒たちがお弁当を食べるのって何時くらいなんだ?黄昏時になり時計塔の鐘の音が鳴ったら即夜の世界に切り替わる。これが18時くらい?そこから授業が始まるとして、夜の生徒たちがお弁当を食べるのは、22時くらい?だとしたら、眠子からお弁当を渡されても普通は困りそう。主人公は大食いだから問題ないのかもしれない。

謎⑪学校七不思議、どこかで出てくるでしょ?

・寮のどこかに数えるたびに段数の違う階段がある

・1階の女子トイレの奥におかっぱで赤いスカートの子がいる

・学園長の本体は実はオコジョの方

などが語られていた。個人的には3つ目は真実なのではないかと思っている。

謎⑫ハイパースプライトは再び重要な役割を果たす?

 opに懐中時計が移っているし、ハイタースプライトの能力はかなり便利だから、これからも活きてきそうだと思っている。

映り込む懐中時計

序盤に登場したものが、後半で再び活きてくる展開は好きだから、そうだとうれしいな。

謎⑬3人目の昏倒した人は何者?

 コルウス・アルブスの代償により倒れてしまった人。遺品はその力を欲する人のところに出現しやすいという説明があったけれど、この人は何を欲していたのだろう?

謎⑭「もーちゃんが気にしていたこと」とは何だろう。

 睦月を回想するシーンで出てきていたけれど、憂緒は何を気にしていたんだろう。

 

〇学園長と学ぶチェコ語

・Dobry den:こんにちは

・Ano:yes

・Je dobra:(It's good)←これだけよくわかんなかった。

・Na shledanou:さようなら

 

〇登場した遺品

・ハイタースプライト…探し物をしてくれる妖精の遺品。イングランド東部に暮らしているとされる妖精らしい。

ヤヌスの鍵…使用者が思い浮かべた場所に一瞬で行ける遺品。ローマ神話における扉の守護神Janusが元ネタか。JanusはJanuaryの語源らしい。

・アンリ・シェブロ…友人をつくるための遺品。人形。元ネタがあるのかもしれないが、わかんない。

・コルウス・アルブス…羽の刺さった相手にどんな質問でも3つだけ強制的に答えさせられる遺品。元ネタがわかんなかった。コルウスはラテン語のカラス?

・クピドの弓…金色の光で刺されると好意を持ち、鉛色の光で刺されると嫌悪を抱く。キューピッドの弓。

 

《鍔姫√》

 わりと好きなキャラクターではあるから、楽しみにしていたが、まさか鍔姫√からやることになるとは。こういうタイプの女の子を「不束者ですが、なにとぞ」系女子と名付ける。「古風な」という表現が適切だろうか。Riddle Jokerの二条院さんとかも同じジャンルに入れてよいと思う。cv.はかわしまりのさんだが、最近、SuGirly Wish、ふゆから、くるる。をやっていたから、おなじみになってきた(別の世界戦でもまた出会ったぞ!って感覚)。

 これはどの√にも言えることなのだが、√自体が短いせいで、展開がかなり早い。付き合うまでも一瞬。まあ、鍔姫√はそこまで不自然ではないと思う。鍔姫√に入っているということは、初対面のときから好印象を与える選択肢を選んでいるはずだから(1つくらいミスっても個別√に入れるのか?)、スタートの段階でそんなに悪い印象は持たれてないと思う。さらに、友達作戦をすることになったとき、主人公が速攻で名乗り出てくれたというのも鍔姫からしたら嬉しかったと思う。ちなみに、ここくじ引きで選ぶ選択肢を選ぶと、けっこうおもしろい。さすがに、鍔姫ちゃんがかわいそうだったけれど、お構いなしで進めるトクサの3人が面白かった。鍔姫ちゃんにとっては(過去にいたかどうかは知らないが、少なくとも学園に入ってからは)初の友達なのだから(スミちゃんも入れると2番か)、主人公に対してはかなり好意を持っていたと思う。

 Hの後に、後ろから抱きしめる瞬間、め↑ちゃ幸せだよね。

 どの√もそうだけれど、アフターストーリーの設定良いよね。夢オチという言葉だけ聞くとあまり良い印象を持たないことが多いけれど、これは夢オチが良い結果になっていたと思う。眠子はまだしも、鍔姫ちゃんや憂緒がそういう妄想をするのは意外だし、それで悶えてる様子はめ↑ちゃかわいいからね。というか、鍔姫ちゃん√に関しては夢であってくれてよかった。パンツを脱ぐシーンがなかったから、ドレスの下何も履いてないんか!?となったし、さすがにウエディングドレスを破るのはまずいと思ったからね。

 っていうか、鍔姫ちゃんの部屋、広くね?猫になった主人公が落ちるとき、真弥やそあらがいる状況で、おまるが「みっちー!」って叫んでいたけれど、これは大丈夫なのか?

 

《憂緒√》

 まず、第一にかっこいい。

「鹿ヶ谷憂緒が、我が血と言霊とともに古き盟約の札にて命じる」

のシーン、め↑ちゃかっこ良いんだよなあ(村雲が唱えるシーンはなんか笑っちゃった)。そんな憂緒が恥じらう姿は普段とのギャップでめ↑ちゃ萌えた。普段上から目線でずっと接されているけれど、Hになったら逆転するというのは嗜虐心を煽る(わからせ、というやつか)。ただ、これまた√自体はかなり短かった。クピドの弓で無理やり展開が進んでいったから、徐々にデレていくというのは見られなかった。

 主人公は憂緒に対して元々、ある程度、恋愛感情を抱いていたと思う。男は単純だからね。一緒の空間でずっと過ごしていしたら、それだけで好きになってるよ。クピドの弓で作られた感情か、元の感情か悩んでいたけれど、もともとある程度、恋愛感情を抱いていて、クピドの弓でそれが大きくなっただけだと思う。それに対して、憂緒が主人公に対して恋愛感情を抱いていたかどうかは、かなり微妙なところだと思う。個人的には、抱いてなかったと思う派。憂緒が連れ去られた一件で、主人公が助けてくれたこと、そして心配してくれていたことを後になり知ったこと、などで主人公に対して好意は抱いていたかもしれないが、恋愛感情には成長してなかったと思う。主人公がクピドの弓で撃たれたことに対して負い目を感じていたこと、キスをされるという極端の状況に置かれたことで思考力が落ちてしまっていて、関係が発展したのだと考える!いやいや!憂緒も心の中で、ほんのちょっぴり恋愛感情を持っていたんですよ!という意見があるのももちろんわかっている(から、これはあくまで個人の意見ということにしておく)。つまり、キスをする前までは恋愛感情を抱いていなかったけれど、キスをされたことにより恋愛対象として意識するようになった、というのがワイニキの意見。

 アフターストーリーもかわいかったね。本編では結局まだそんなに関係が進んでない状態であり、アフターストーリーだけでめ↑ちゃ関係を進めることはできないから、そういう意味でも(いろいろとHなことをやらせるには)夢オチにしてしまうというのは、上手いなあと思った。

 

《眠子√》

 実は正直なことを言うと、最初はあまり眠子のことそんなに好きじゃなかったのですヨ。というのは眠子って良く言うと「元気があって朗らなか子」だけれど悪く言うと「ぎゃーぎゃーうるさい」って感じだから。ただ、進めているといつの間にか好きになってしまっていた。おそらく、眠子がまっすぐな性格をしていて、一生懸命、主人公にアタックしている姿に心うたれたからだと思う。こんなにモーレツにアタックされたら、誰だって振り返ってしまうよ。もう1つ、眠子の可愛いところは、純情で乙女チックなところだと思う。乙女チックというか乙女。3人のヒロインの中で1番、乙女らしかった。

 アフターストーリーも良かった。ナースプレイも悪くないなあと思った。

 

〇名セリフ

「--では壬生さんの新たなお友達は久我くんということになりました」by憂緒

「推理とはそういうものです。すべての可能性を排除した後、最後に残るのが真実……」by憂緒

と書いたものの、実際はホームズの言葉ですよね。空丘夕陽が言っていたので、知っています。

「非常に不本意ですが、好きです……!」by憂緒

状況を知らない人が見たらなんだこれ!?ってなるセリフ。

 

【項目別】

 普段だったら、感想記事をいくつか書いた後にまとめの記事を書いているのですが、今回はそれもここにまとめちゃいたいと思います(長くなってきたから分けたいが、そうするとまとめの記事がかなり短くなりそうだから)。いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。これまでは★5つを最大としてやってきましたが、それだとかなり大雑把なものになってしまうため、今回からは★10を最大としてやっていこうと思います。

《①シナリオ》

 ★7です。わりと(本格的なというのは言い過ぎな気はしますが)ミステリー色(というか探索系?)が強いシナリオをやることがあまりないので、面白かったです。ただ、正直、シリーズもの前提な感がありました。おそらく、シリーズすべてをやり終えた後だと「め↑ちゃ良い作品だったなあ!」となるのでしょうが、これ単体だとこのあたりな気がシマス。(最近の美少女ゲにしては珍しく?)選択肢も多く、攻略していく面白さもありました(最近のやつはノベルゲーム感が強いですからね)。癖が少ないので、美少女ゲの経験が少ないという人にもオススメできる作品だと思いました。

 Hシーンに関しては、なんだか取って付けたような感じがしました。なんなら制作者サイドもHシーンはそんなに重要視していなかったのかもしれない。Hシーンだけ抜き取って、全年齢版のゲームとして売り出してもけっこうやれそうな気がしました。まあでも個人的には、美少女ゲなんだからHシーンはあってほしいと思う派なのですが。

 

《②グラフィック》

 ★7です。あまり見たことのない絵柄だったのですが、世界観には合っている気がシマス。なんというか、うまく表現できないのですが、「絵画のような」絵でした(きっと伝わる)。SD図かわいいやつ多くて好き。ただ、表情差分はあまり多くないように感じました。

 

《③H度》

 ★5です。先ほども述べたように「め↑ちゃHなものを作るぜ!」という感じではないのだと思います。シナリオゲーですからね。そもそもH度なんかで測らないでくれ!と言われるかもしれませんが、一応、美少女ゲのくくりですからね。キャラクター自体は可愛いですから、使おうと思えば使える、くらいでしょうか。

 

《④システム》

 ★8です。ショートカットキー設定もできましたし、それなりにいろいろ細かく設定できたので、不便を感じることはありませんでした。次の選択肢までスキップは欲しかったです。

 感想のところでも述べたように、評価システム(リトの審判)があるのは面白かったです。

 

《⑤サウンド

 ★9です(今まで出したことのないレベル)。何度も言っていますように、opめ↑ちゃ良かったです!繰り返し聴きたくなります。速攻でレーダーに反応しましたからね。ピピピッとね!制作サイドもそれを意識してか、いろいろなアレンジが使われていました。ただ、これ1本!という感じが強かったです。

 音楽鑑賞モードはかなり充実していました。普通だったら音楽を聴くことができるだけですが、なんと、制作者の方のコメントが載っていました。どんな想いが込められているのか知ることができるので、良かったと思います。

 

 以上、★36/50でした。思っている以上に高くはならなかったものの、それはこの作品単体で見ているからだと思います。シリーズすべてを終えた後にもまとめの記事を書きたいと思っていますが、そこでは高く出そうです。

 

【雑談】

 もちろん、次にやるのは『時計仕掛けのレイラインー残影の夜が明ける時ー』ですね。ハロウィーンが近づいてきました。レイラインの世界観とちょっと合っているかもしれませんね。