【ゲームの感想】ふゆから、くるる。(まとめ2)

【ゲームの紹介】

  これまで、9回にわたって感想を書いてきました(ほぼ個人的なメモのためでしたが)。今回は、いつも通り全体のまとめの記事を書きたいと思います。ついに、最終回というわけです。ちょっとだけあらすじ紹介。

 今年の冬はいつもと少し違うなあと思いながらも楽しい学園生活を送っていた、主人公。そんなある日、知り合いであった月角島が首なし死体で発見される。親友のしほんに提案され、名探偵をすることになった主人公。しかし、翌日、しほんの首なし死体が発見される……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

【感想】

 細かい内容はこれまでの記事で書いているので、ここでは触れないでおきます(と言っても今回はそれなりに語ってしまいそうですが)。いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム面⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。

《①シナリオ》

 ★★★★☆です。しかし、限りなく5に近い4だと思ってください。個人的にはかなり好きなシナリオ(とはいえ人を選びそうではあるが)でした。「少女たちの学園生活は実は共通幻覚で……」というのはかなり大胆な設定だと思いますが、同時に、美少女ゲ感Maxだとも思います。そして、個人的にはSFが好きなのでこういう設定が刺さりました。かなりメッセージ性の強い作品だと感じました。伝えたかったテーマの1つは「人はなぜ生きるのか」だと思います(全然ちげぇよ!と言われるかもしれませんが)。それに対する解答として挙げられていたのが「新しい意識を生み出すため」だと思います。現実世界に合わせた表現にすると、新しい個体を生み出すため、ですかね。今のまま終焉を迎えたいのであれば、何もせず現状維持で良いわけですが、群れ(人類)としての生存を考えるのであれば、生きて結婚し、新たな命を誕生させるべきだと。まあ、この話を直接現実世界に当てはめて考えるのは少し問題があるような気がするので、ナンセンスだと言われても文句は言えないのですが。というのは、①現状維持②新しい意識を生むという対比が現実世界と作中世界では大きく異なるからです。作中世界では新しい意識を生むとなった場合、母体の意識の消滅は運命づけられます。しかし、現実世界ではそうではありません。子どもと親は共に生きていくことができます。したがって、現実世界での①と②の対比は作中世界ほど強烈なものになっていない(究極の選択になっていない)のです。

 また、先ほどは②を選ぶ理由について「群れとしての生存」を挙げましたが、それだけではない!という声も作中に込められていたと思います。ユカリ流に言うと「生きていた証を残したい」というもの。自分が死んでその後に何も残らないということを想像すると、悲しい気持ちになりますからね。針を放った人も、野薔薇をように強い薔薇を生み出そうとするユカリも皆、後に何か残したいという思いを持って生きているわけです。②を選ぶ理由はもう1つ挙げられており、それは夕陽流に言うところの「そっちの方が未来があるから」です。現状維持で終焉を迎えるというのはその先(未来)がないわけです。未来なく生きることは選べないというものでした。ただ、月角島と同じように「自分たちがいない未来に何の意味があるの?」という考え方もよくわかります。ここまでメッセージを受信しておいてなんですが、私自身は月角島と同じタイプだと思います。どこまでいっても変わるべきなのに変われないままの人間なんだろうと思います。

 ただ1つだけ大変だったのが序盤です。風呂敷の広げ方が丁寧すぎるというかゆっくりすぎると感じるところがありました。個人的には別に百合は嫌いではない(むしろ美しいものだと思っている)ので、苦というほどではなかったのですが、Hシーンが詰まりすぎ!と感じました(そもそもこのゲームを百合ゲ―と言っていいのか)。まあ、物語の展開上、しかたないと思うのですが。連続殺人事件が起こってしまえば、しほんを登場させることはできませんし、他のキャラクターもHをしている場合ではなくなってしまいますからね。にしても、全然本題が始まってないのに、百合Hシーンが多いというのは、人によってはしんどいところがあるかもしれません。私自身、百合好きではあるけれど、百合Hにはあまり興味がないというタイプなので、余計にそう感じたの🦆。連続殺人事件が起こるまでに積んでしまう人が多そうだと感じました(もったいない!ぜひとも続きをやって!)。

 全体で見ると、良かった点も悪かった点も人を選びそうなものばかりでしたが、個人的にはかなり好きでした。

《②グラフィック》

 ★★★★★です。どのキャラクターもかわいかったです。「個人的にはこの子がめ↑ちゃ好きなんです!」みたいなお気に入りの子はいなかったけれど、普通に可愛かったと思う。1番好きな一枚絵は何だったかと聞かれたら悩むところではあるのですが、朝日とれぷとが祈りのチェスをするシーンのものですかね。コムギとメルエムが最後に軍儀をするシーンを思い出してちょっと笑っちゃいました。いやでも、朝日とれぷとがシロツメクサで王冠をつくるシーンも捨てがたいなあ。夕陽としほんが果たせなかった約束を、世代を超えて出会った運命の2人が成しえたって考えると感動しました。グラフィックの評価の部分はけっこう甘い人間なので、★5であることが多く、あまり参考にならない🦆。

 

《③H度》

 ★★★☆☆です。正直、この項目は個人的な感性によるものだからあまり参考にするものはないのですが。単純に、あまり性癖に刺さらなかったという感じです。シナリオが面白かったので、特に気にしてないですけどね。まず、第一に私が重度のアンチケモナーだということがあります。「いや、このゲームのどこに獣要素があるねん!」と言われるかもしれませんが、アルパカついてるじゃないですか!それが獣の耳に見えてしかたないんです!とはいえ、これはさすがに言いがかりすぎる気もシマス。ですから、あまり気にしないでください。私の様に重度のアンチケモナーでもない限り、気にならないので、問題ないと思います。第二に、百合好きではあるが、あまり百合にHを求めてるタイプではないということがあります(これも完全に個人の趣味なのですが)。そもそも、このゲームを百合ゲ―ということが適切かどうかという話はあるのですが。百合は両片思いのときが1番美しいと思っています(個人的意見)。第三に、私がSではなかったということです。SとMは同根だという話もありましたが、それでも私はMなので公開凌辱シーン(月角島×水名)などでは複雑な気持ちになりました(とはいえそこに興奮が混じっていたことは認めざるを得ない)。

 ちなみにおそらく多くの人にとって壁となるが夕陽の存在だと思います。百合好きな人が「百合ゲーだ!うひょー!」と勢いで買うと痛い目を見る気がシマス。なんなら最後の方は塔子×チエミもありますからね。夕陽の存在はジャンルで言うとどこに分類すればいのでしょうか?男の娘ではないと思います(専門家としてこれは断言できる)。いや、まあ定義(女の子の様に見えるほどかわいい男子)だけ見れば1番当てはまるのは男の娘になるのかもしれません。いや、夕陽は結局、完全な男子ではないですよね?元々、女子として生まれついていて、後から男子になるための注射をうっているわけですもんね。となると、女子から男子へ変化する間にいることになりますから(つまり男子ではない)、男の娘ではないですね。そうなると、やはりふたなりに分類すべきなのではないでしょうか。そう考えるとかなりマニアックな性癖(と言うと怒られるかもしれないが)になるわけですから、万人向けとは言えないような気がシマス。まあ、私自身は別にふたなりが好きなわけではないですが、嫌悪感を抱くということもないので、大した障壁にはなりませんでした(天使だってふたなりですからね)。

 

《④システム面》

 ★★★★☆です。一部、人によってはめちゃくちゃ動作が重いという話を聞いていたのですが、私は特に問題なかったです。最近の美少女ゲということもあり、システム面で不自由することはほぼなかったです。個人的にはショートカットキーをいろいろと設定させてほしかったところですが。美少女ゲって本当に年代を経るごとにどんどん便利になってきていますよね(そんなことを言うなら★5にしろと言われるかもしれませんが)。

 

《⑤サウンド

 ★★★☆☆です。め↑ちゃ好き!という曲があったわけでもないですが、嫌い!という曲も特になかったです。気のせいかもしれませんが、「缶詰少女ノ終末世界」で使われていた曲もあるのでしょうか(覚えてない、というか「缶詰少女ノ終末世界」も途中で積んだままだね)。opは少しレーダーに反応したところはありました。edもストーリーに合っていて良かったとは思います。この項目も正直、好みの問題ですね(そんなこと言い出したらすべてそうなのかもしれないが)。

 

 以上、★19/25ですが、シナリオが限りなく5に近い4だったので、★20/25としておきます。やってよかったと自信を持って言えます。ただ、人に勧められるかどうかはわかりませんが……(けっこう人を選びそう)。

 

【雑談】

 さて、楽しかった「ふゆから、くるる。」も怒涛の勢いでやってしまったため(10日ぐらい)、次、何するかという話になるわけですが、11eyesレイラインシリーズかで悩んでいます(ともに購入済み)。とにかく現在進行中のプロジェクト

最果てのイマ

・SuGirly Wish

は定期的に進めるようにはしています。レイラインシリーズからやろうと思っているのですが、一度やり出したら多分3作品全部やるまでやめられない止まらないになりそうだからなあ。さすがにそろそろWhiteAlbum2も完走したいしね。