【ゲームの感想】景の海のアペイリア #1

【ゲームの紹介】

 さて、今回から新しいゲームに突入していきます。本日、記事にさせていただくのは「景の海のアペイリア」(SILKY'S PLUSより2017年7月28日に発売)です。SILKY'S PLUSというと缶詰少女ノ終末世界やふゆから、くるるなどを発売しているところですね(私がやったことあるのはこれくらい)。SFの作品が多いのでしょうか。実は購入したのは2022年の8月24日ということで、多分サマーセールのときに買ったのだと思います。というか、今、購入履歴を見直したら上に挙げた3作品を同じ日に購入しているので、「3本選んで〇〇円(多分6000円)」のセールで購入したのだと思います。SFが好きなので、どれも購入して良かったと思ってイマス(現時点で完走しているのはふゆから、くるるだけですが……)。私事はさておき、ちょっとだけあらすじ紹介……。

 AIに興味を持っていてた主人公はふとした拍子に、自我と感情を持つAI「アペイリア」を創ってしまう。アペイリアに会うために、主人公は友達と一緒に仮想空間ログインするが……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 今回は三羽の秘密を知るところまでの感想を書いていこうと思う(一旦、自分の脳を整理したかったというのもある)。今、め↑ちゃ面白い。こんなゲームを今まで積んでしまっていたなんてもったいない!

 エモーショナルな感じで始まったかと思えば、唐突なド下ネタが展開されるということで、初めてやったときはすぐにやめちゃったけれど、続けてみたらかなり面白い。その面白さについてはこれから詳しく書いていくけれど、下ネタ部分に関しては合う・合わないが出てきそうだと思った(美少女ゲで何を言っているんだという話ではあるが)。特に冒頭部分は悪ノリでなかなか会話が進まないところが多く、もどかしく感じることもある🦆。バトルシーンも主人公のデザイアの都合上、下ネタの悪ノリになることが多く、苦手な人は苦手かもしれない。私は別にぬきたしとかでも問題なかったから、気にせず(むしろ面白がって)進めることができた(ただ体調が悪い日は少ししんどかった)。

 今は多分まだ半分くらいしか進められてないのだろうけれど、多くの伏線が回収され始めていて、め↑ちゃ面白い。続きが気になってしかたない状態になっているから、アタリだったなと思う。かなり多くの伏線が鏤められているから、伏線回収好きの人にはオススメである。

 さらに特徴として挙げられるのが、がっつり(プロの人からしたらそうでないのかもしれないが)量子論を出してくるところ。ちなみに、私は未だに量子化学と和解できていない。ウイルスの正体が量子だって出てきた段階で相当身構えたが、その後、普通に二重スリットの話が出てきたときはさすがにオートプレイを止めた。自分の脳みそを整理するためにもここでまとめ直しておく。

・二重スリット実験「粒子と波動の二重性を示したい実験」

と書き始めようと思ったが、勉強に時間がかかりそうだから別の記事でまとめることにする。ストーリーを進めるにあたって重要そうな言葉だけ抜き出しておくと、「可能性は可能性に干渉し、別の可能性を作る」

・遅延選択実験

これも同様に後日まとめることにする。とにかくスクリーンの干渉縞が消えていたことから観測者の存在が示唆された(理系出身とは思えない要約の仕方……)。

 もう1つやっていて面白いなと思ったのは、主人公たちの論理的思考の展開。クリーンルームましろと一緒にタイムリープを知らせる方法を考えたシーンは「たしかに~!」と画面の前でうなった。ましろクリーンルームの中にいるという設定にしたのは、この展開により説得力を持たせるためなのかと穿った見方をしてしまったくらい。ましろも記憶を保持していてなおかつましろクリーンルームの中にいるというのは若干無理やりな気がしたが、タイムリープの詳細な条件がわかっていないので何とも言えない。主人公とシンカーのバトルがかなり面白い。

拉致監禁した久遠を殺すという脅しに対して

(1)シンカーが観測者である場合

 零一がタイムリープできないということがわかっているから簡単に久遠を殺せる。しかし、そうしてしまえば自分が観測者であるとバラすようなものであり躊躇われる。

(2)シンカーが観測者でない場合

 零一がタイムリープできるかどうか知らないため、殺すのが躊躇われる。

(1),(2)よりシンカーは久遠を殺せないと結論を出したわけだが、シンカーのことについてよく知っていると知らせてしまったということであり、逆にシンカーはそれを零一がタイムリープしていることの根拠としたわけだ。こういうやり合い、見ていて面白い。シンカーと零一のダウトゲームはかなり面白かった。とはいえ、シンカーは最後の解答「タイムリープの方法を知らない」で正直に答えたうえで襲ってきたかもしれないだろ!と言いたくなった。しかし、シンカーは観測者じゃない気がするんだよなあ。

 そしてSF好きのテンションが上がるような用語が多く登場するというのも、アピールポイント。DNAコンピュータ。シリコン半導体の代わりにDNA塩基を用いたコンピュータ。量子コンピュータ。量子脳理論。「俺たちが5人そろって会える唯一の場所、0と1の世界へとーー」って表現かっこ良いよね。タイムリープという設定自体は珍しいものではないけれど、それでもやはり心くすぐられる設定だよね。タイムリープを超えてもなお、心に残っているもの……、こういう設定は安易な気もするけれど好き。

 ここまでいろいろとカタイことを書いてきたけれど、普通にキャラの可愛さも魅力の1つだと思う。「ネガティヴ」のとき、指をばってんさせているアペイリア可愛いよね。三羽もかなり好き。零一が評していたように意地っ張りだが寂しがり(Aが上がることに変わりはない)なところが良い。誘い受けの素質🐜。嗜虐心を煽る。単純にドMなので、「嫌いです」が口癖の人とは相性が良いかもしれない。久遠も久遠でえっちぃお姉さんとして最強のポジションを確立している。真面目な話をすると、この手のゲームに久遠のようなちょっと勉強が苦手な子は必要だと思う。小難しい話の要点を聞き出したり、見ている人が疑問に思うことを尋ねたりする役割として。ホームズのワトソンポジションね。

 ちなみに現状、Hシーンもかなり良い感じです。正直、どのシーンも良い。七海と沙羅のシーンでは新たな門が開きそうになった(元々、ある程度、開いていたのかもしれないが)。三羽とのシーンは自分の中の隠されたS心が目覚めさせられそうになる。

 しかし、もし自分が零一たちの立場だとしてセカンドにログインできるかと言われればできないと思う。愛着があるとはいえ、またつくり直せば良いと考えてしまう。しかし、零一に自分たちだってタンパク質の集合体にすぎないと言われて何も言い返せなくなってしまった。確かに、何で構成されていようが感情と自我を持っていれば、それは生命と呼んで差し支えないのかもしれない。

 

〇謎

①久遠は異常に嘘を嫌うが、理由はあるのか?

 性分という言葉では片づけられないぐらいの嫌いようだったが、なにか理由があるのだろうか?

②サードの中身は?

 時間稼ぎのためにシンカーと使うシーンが出てきて、「おお!ここで出て来たか!」となったが、まだ再登場しそうな気はする。というのも、エクストラモードの舞台はおそらく遺伝子研究所だから……?

③零一のメールアドレス「αγβ-kirishima-reiichi@αmale.co.jp」に意味はある?

 なかなか特殊なメールアドレスだけれど、零一がイタイだけなのか、この時代では普通なのか、それ以外の意味があるのか、意味はないのか、どれなんだろう。

④02ルームから送られてくるメールの末尾@scが意味するものとは?

⑤απειριαの名前の由来は?

⑥雷が落ちただけでアペイリアが誕生した理由は?

 このときのアペイリアのセリフ、面白いよね。「なぜ、自分は自我を持っているのか」という問いは、確かに「生まれたから」という答えしか思いつけない。そもそも「自我」というものをどう定義したらよいかわからない。「意識を持っているのは自分だけで、他の人間はみんなただプログラムされたとおりに動いているだけのロボット」っていう考えは、誰しもが一度はやったことがあると思う。

 一部解決。誰かが最初に未来でアペイリアを創り、その意識が過去の時間軸に影響を与え、零一がアペイリアを創ること成功した。ここで重要な考え方「未来の意識が、過去の意識に影響を与えることもある」。これも量子論的な考えから類推されていた。

⑦アペイリアの見た目が少女である理由は?

 零一のヒトゲノムデータを用いたにもかかわらず、外見は零一と全く異なるものになっている。これはなぜ?

⑧アぺイリアが元々使えるクラウドのコンピュータに気づかなかったのはなぜ?

→一部解決。アペイリアがアクセスしたのは717億台(インターネット上に存在するありとあらゆるコンピュータ)。しかし、アペイリアはこれらは外部のネットワークではないし、不正アクセスでもないと言っている(短時間でこの膨大な数のコンピュータにアクセスし、ネットワーク化することは不可能)。最初から717億代のネットワークが構築されていたなんてありえないが、そうとしか言えない状況になった。仮想化アペイリアシステムは717億台のネットワークで構成されている。

 ここで以下のように疑問点を変更しておく。

⑧’717億台のネットワークはいつ構成された?

 これは「伝わる意識」説で説明できる。未来のアペイリアネットワークが717台の持つ微弱な意識に影響を与えてネットワーク化した。

タイムリープの仕組みは?

 今のところタイムリープが発動する条件や記憶を保持したままタイムリープをする条件などわかってないことが多い。アペイリアネットワークによる仕業か?と、ここでいつも通りトンデモ予想!

予想①零一たちが現実世界だと思っている世界ですら仮想空間でしかない。

 現実世界から仮想世界「セカンド」に入り、さらにその中で仮想世界「サード」に入ったように、そもそも零一たちが現実世界だと思っている世界の更に外側に世界があるのかもしれない。外側の世界が有るか無いかというよりも、現実だと思っている世界が仮想世界というのがポイントかもしれない。もしそうなら、タイムリープだと思っているのは、単純にゲームがリスタートされているだけなのかもしれない。

 タイムリープした後、未来を変更しようとしたら未来が変わってしまうという現象についてもいくつか説が出てきた。観測者が変えているという説、観測者が意図しているわけではなく自然がそのように動いているだけ(我々が意味を見出そうとしてしまっているだけ)説。できるだけ矛盾が少なくなるように(前の時間軸と同じになるように)自然が自動的に修正される。しかし、零一が疑問に思っていたように、できるだけ矛盾を少なくしたいのなら記憶も未来予知メールも消してしまうことだと思うのだ。そう考えると、干渉できる力に限界がありそうな気がして、観測者を想定したくなる。そして、観測者はメールに干渉できない。

⑩観測者は誰か?そもそも存在するのか?

 今のところ、観測者の目的はアペイリアを手に入れることであり、そのために(狙ってかどうかは定かではないが)アペイリアをセカンドに閉じ込めることになった、という解釈で進んでいる。現状、シンカーが怪しいという話だったが……。

⑪三羽が飲むヨーグルトが好きなのには何か関係がある?

 これはいつもの考えすぎ、理由を求めすぎというやつなのかもしれない。

⑫空観の妻、永久子は何か関係ある?

 一周忌で空観がお墓参りに行っていたようだけれど。

⑬サーバ796には何か意味がある?

 2回目の世界線では空観に頼んでアペイリアをログインさせてもらってたけれど、そのときにログインしたのがサーバ796。何か意味深な数字だねぇ。

⑭ウイルスの正体は?

 ウイルスは突然、発生したようだけれど、そもそもどこからやって来たんだ?行動に学習が見られることやユグドラシルを守っていることから観測者が操ってるっぽいけれど、それも推測でしかない。もしその推測が当たっているなら、シンカーは観測者じゃないっぽい。

⑮シンカーを倒した直後の零一を刺したのは誰?

 これに関しては全く見当もつかない。

⑯02ルームはどういう存在?

 タイムリープする前に一度、この部屋を経由しているけれど、この部屋は一体、何なんだろう?@scを足したメールは02ルームのパソコンに届き、02ルームのパソコンからメールを送るとタイムリープ直後に受信する。これくらいしかわかっていることがない。

⑰遺伝子研究所の詳細は?

 何やら怪しいところだけれど……。サードのエクストラモードで出てきたのはここだろうか?

⑱2回目のタイムリープが1年前だったのはなぜ?

 零一の推理したように、できるだけ観測者が行動を起こさないようにして、零一に未来を変えさせるためだろうか?三羽のことといい、続きが気になってしかたない。このとき、三羽の様子が少し変だったと零一は感じていたけれど(あいつがあんなに素直に礼を言うなんて珍しい)、何かあるのだろうか?

⑲アペイリアネットワークが色宝箱の中に色宝箱を入れるという発想を見落とすか?

 そうは思えないのだが。考えすぎなのだろうか。

⑳アペイリアは誕生日メールを送る日を間違えたけれど、本当にただ間違えただけなのか?

 感情ができてミスをするようになったとはいえ、アペイリアがそんな単純なミスをするようには思えないけれど?

バウンダリーβテストが1年延びた理由は?

 永久子の死と何か関係があるのだろうか?

㉒ウイルスの正体を考えるとき、久遠が背を向けている瞬間があったけれど、あのときは何を考えていたんだろう?

 自分の人生には関係ないやという考えをしていたというのが、素直な考えなきがするけれど、そうでない気もしてきた(チョッカン)!やつはものすごく賢くて、やつこそが観測者なのではないか!?というトンデモ予想をしておく。予想を言いまくるのは自由ですからね。

 

〇メモ

・機械知性の法則…

無停電電源装置UPS:Uninterruptible Power Supply)…蓄電機的な物で停電時に一時的に電気を送るもの。

・回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)…光ファイバーが伝える光信号をデジタル信号へ翻訳する装置。

・ミズガルズ

チューリング・テスト…機械が人間的かどうかを試すテスト。AIは欲求を持たないため、それについて追及するとボロが出る(by零一)。

・技術的特異点(シンギュラリティ)…人工知能が人間の知能を凌駕する時点。

EEG(electroencephalogram)…脳波。

・アペイリアの呪文

 esplosione:イタリア語で爆発

 fiamma:イタリア語で炎

・久遠のデザイア

 アトロポスギリシア神話の女神で運命を司る

・JウイルスのJってどういう意味なんだろう?

・観測無しにデコヒーレンスが起きると多世界解釈の論拠が弱まる

・コストは1つだがデザイアは複数可

 

〇名言

「変態を自重できる人間がどこにいるっ?自重できないからこその変態だっ!」by零一

 言ってることは最低なのに、納得してしまった。

 

「なに……?これ……?なにをしているの?わからないのに、すごく気持ち悪い……」by七海

主人公の絶剣を見て放った一言。

 

「動くな、童貞だ」by主人公

バトルシーンは途端にギャグと化す。

 

「正しくは5/8勃起だ」by零一

便利な表現ね。これから使わせていただく。

【ゲームの感想】家族計画 #5

 

【ゲームの紹介】

 ついに今回が最終回となります、家族計画の感想記事です。準√をきちんとやり終えたので、その感想を書いていきます。家族計画、めちゃめちゃ良いゲームだったヨ!最後なので、紹介もしておきます。

 主人公は繁華街の路地裏でワケアリの中国人少女を拾う。面倒を見ていると、謎の中年男性も家に入り浸るようになり、さらに自殺しようとしていた女性を助けたことから彼女も仲間になってしまった。その他含めてワケアリたちが当面の都合のために始めたのが、疑似家族をつくるという相互扶助計画、家族計画……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 前回、前々回の記事で書いたように準√になかなか入れなくて困っていたんですよね。攻略サイトを解禁することになりました。どうやら、「崩壊」までにどのキャラクターの王冠ども一定値以下だと準√の途中で終わるみたい(久美景との会話のところ)?ちょっとよくわかってないから、あまり信用しないで。
 さて、準√はかなり面白かった・感動したが、その理由は司との共通点にあると思う。2人とも心の底ではどうしようもないくらい繋がりを求めているのに、不器用がゆえにその気持ちに向き合えないところ。ましてや準に関しては今までの生き方に雁字搦めにされている(悪事に手を染めている、景に嫌われていると思っている)から、司にも素直な気持ちが出せないでいた。そんな2人だから案の定、ぶつかり合うことも多く、見ていてもどかしい気分になることが多かった。ただその分、準が本音を話すときはうれしい気分になるし、最後のシーンは感動した。高屋敷家での生活は大好きだったと言ってくれたのはうれしかったね。
 準の過去に関しては(栄養ブロックしか食べてないという時点で)ある程度、想像がついていたがひどいものだった。家族に裏切られるというのは相当きついことだと思う。いくつかの記事でも書いたように、「理不尽が満ち溢れているこの世の中で生きていくためには、人は群れずにはいられない」というのが家族の存在意義だと思う。いわば唯一絶対と言える拠り所である。したがって、家族に裏切られるということは自分の土台が揺らぐということであり、生きてくのが難しくなる(というのは極端かもしれないが)。家族に裏切られる辛さを誰よりもわかっているはずの準が薬を売りさばいて家族を裏切ったのは悲しかった。絶対やっちゃダメなことだって誰よりも身をもって知っているはずだから、自己嫌悪に陥ったであろうが。春花はきっとそういったことを理解した上で、(罪を認めて)全部許すと言ったのだろう。っていうか、準が1番最初に好きになったのって春花だったんだね。てっきり茉莉かと思っていた。準は下の子想いだから、春花の笑顔にやられやすかったの🦆。

 多分、準√で1番名シーンとして挙げる人が多いであろうシーンは最後のオムライスのシーンだと思う。良い方向で終わらせるには準の拒食症(という言い方が適切かはわからないが)を克服させるはずだと予想できてはいたが、いざ準が泣きながらオムライスを食べているシーンを見るとこちらも少しウルウルしてしまった。その前のシーンがけっこう良い味出してるよね。食べることに執着してこなかった準だけれど、体は正直なもので空腹になると腹が鳴る。全てに疲れた準は死にたいと口に出すけれど、体は生きることを望んでいる。このシーンが前にあったからこそ、その後、家族(園長先生、景も準にとっては家族)で食べるオムライスのシーンが感動的なものになるのだと思う(いわゆるカタルシス?)。

 準と景、どっちが人気なんだろうか。見た目だけで言うなら景の方が好みだが、全てを総合するとなると、う~む、難しいところ。好みの話はさておき、準にとってはせめてもの幸いは肉親が残っているところだよね。(実質)天涯孤独みたいな人が多い中で、信頼できる肉親が残ってるというのは大きな支えだと思う。姉妹そろって同じ男を好きになるのも運命というものね。準が木に登った日(こう書くと馬鹿らしいが)、何があったのだろうと思っていたら、司の後を付けていたんだね。準視点(というか天の視点)で語ってくれていてわかりやすかった。

 

〇メモ

 コカインは効き目が短いし、シラフに戻ったときにすごく鬱になるみたいな話がでてたけれど、ほんまか?まあもちろん、やったことがないからわからないのだけれど。

 二千円札が出てきたのには時代を感じてしまった。

・Jターン…地方から都会へ出た人間が故郷に近い地方都市で働くこと。

 

〇春花と学ぶ中国語

・姐姐(お姉さん)

 

〇名言
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすと言うっっ!」
「生命保険が下りるからな」by寛
寛のこういうギャグのおかげで飽きずに進められたから、寛の存在は偉大。

 

「私だって女だから……一生に一度くらい、誰かに好きになってもらいたいと思うけど」

「けどそれが手に入らないものだったら、私に依存してくれるような人でも……いいって思っちゃう」

「弱いから、つらいの」by真純

真純は本当に弱いなと思う部分があって、若干イライラするところもあったが、このセリフを言われたら、確かに、真純にも一理あるなと思ってしまった。

 

「お金じゃ、何も解決できないよ!」

「家族が欲しくて欲しくて……欲しくて……」by準

このあたり瞬間最大風速を感じた。これもまた家族の存在意義につながるよね。けっこう感動ポイント。

 

「生きてて、何が悪い」

「生まれてきて、何が悪いんだよ」

「生まれちまったものは、生きるしかないだろ?」

「嫌がられようが、邪魔だろうが、生きるしかないだろ!」by司

土管の中に逃げ込んだ茉莉に対して司が投げかける言葉。自分自身の魂の叫びでもある。家族計画に参加することになった人たちは皆、はぐれ者と表現されるような存在であり、全員が同じような想いを持っていたと思う。この一連の言葉、かなり好き。

 

【項目別】

 いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。

《①シナリオ》

 ★10です。ここまで5つの記事にわたって感想を書いてきているので、細かいことは省略しますが、相当好きな作品になりました。微妙だなと思う√がなかったのも(真純√が他の√に比べて物足りないと思うことはあっても微妙だとは思わない)、(美少女ゲーにしては)珍しいと思いました。感動シーンはもちろんのことですが、日常シーンもギャグが面白く読みやすかったのが良かったです。多分、自分が面白いと思う方向性と一致していたのだと思います。ただ、平凡な日常生活を送らせるのではなく、マフィアの抗争などで緊迫感を出す要素があったのも、個人的には続けやすかったポイントです。家族の存在意義とは何かというメッセージを一貫して発し続けていたのも好きなポイントです。

《②グラフィック》

 ★6です。まあ昔のゲームだから仕方ないね。というか家族計画はこういう感じのタッチの絵が合っている気がするから、変にピカピカの新品にしなくてよいと思う。

 

《③H度》

 ★5です。まあ、家族計画をH目的で買う人はいないと思うけれど。シナリオ目的ですからね。

 

《④システム》

 ★5です。これも昔のゲームだから仕方ないですね。セーブ数が少なかったのが少し不便でした。でも、最低限の機能は付いているので、プレイしていて不快に感じるということはありません。

 

《⑤サウンド

 ★9です。なんといってもオープニングテーマが名曲ですよね。家族計画の購入を決意した理由の1つでもあります。エンディング曲もわりと好き。

 

 以上、★35/50でした。こう見ると★の付け方が良くない気がシマス。というのは、昔の名作ってシナリオは良いけれど、時代の関係で絵がそれほど綺麗でなかったり、システムがそれほど便利でなかったりすることも多く、そこで★の数を落とすことになってしまうから。ですから、多分、項目ごとの比重を変えた方が良い気がしています。要検討。

 

【雑談】

 「家族計画~追憶~」が終わったけれど、一緒に購入した「プレミアムアーカイブス 山田一」の中に「家族計画 そしてまた家族計画を」があるから、それを連続してやっていきたい。

 セリフから連想したことなのだけれど、『たった一つの冴えたやり方』を読んでみたいと思ったわよ。

【ゲームの感想】家族計画 #4

【ゲームの紹介】

 4回目となりました家族計画です。もう4回目なので詳しく紹介することはないですが、かなり面白いです。今のところ微妙な√がなく(真純があまり好きではないというのがあるけれど)、どんどん面白くなってきているので毎日が楽しみです。今回は春花√をクリアしたのでその感想を書いていきます。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 正直、泣きそうになりました。年々涙もろくなっているとはいえ、人間の機微を察する能力がなさすぎるので普段はウルウルすることがないのですが(残念な感性)、そんな自分でもウルウルしてしまいました。普段は辛いことがあってもケロッとしていて人一倍強そうに見える春花だったが、実は他の子と変わらないくらいまだまだ子どもだった。茉莉√で春花が夜になると泣くという話を聞いていたが、実際、「媽媽」と予備ながら泣いているシーンを見ると、「俺が幸せにせなあかんな……!」という気分になった。言われるまで忘れていたけれど、倒壊したアパートに写真だけは取りに行こうとしていたもんね。本人は口では言わないけれど、やはり心のどこかで母親と触れ合いを求めていたんだね。そんな春花の気持ちを知ってから、春花の境遇を想うと同情してウルウルしてしまうのだ。春花が母親を遠くから見るだけで声をかけようとしなかった時点で、春花は幸せな家庭を壊すことを遠慮している=春花と母親の関係は望まれたようなものではなかったということがわかっていたけれど……。春花の性格上、他人の幸せを壊すことは望まないから、決して実母と触れ合うことができない。これがあまりにも悲しい。按摩のシーンもウルウル( ノД`)シクシク…。由利が泣いてくれたのもうれしかった。決して真実を打ち明けて触れ合うことはできないけれど、DNAに刻まれた血縁関係が共鳴を起こしたのだ!この場面では主人公と同じように私も「言っちゃえ!全部ばらしちゃえ!」って画面の前で思ってた。

 さて、この√のもう1つのポイントは劉さんだった。他の√では裏で何かをやっていることはわかっていたが、具体的に何をやってるかはわかってなかった。楓から全てが明らかになったとしても兄と友人でいてください、的な事を言われたり、茉莉√ではアパートにやってきたときに直接謝られたりしたけれど、どんな悪いことをしているかはわかってなかった。台湾マフィアをあぶり出すために司を利用していたということで、司を騙して搾取しようとしていたわけではないから、完全に悪だとは言い切れない。が、自分たちの目的のために司を騙して利用したというのは事実であり、「利用したら、家族ではありません!」(楓の言葉)という意見になる。実際、司たちはかなり危険な目に遭っているから怒って当然だ。言ってみれば、劉さんは司の先輩だよね。社会のはぐれ者たちが理不尽な世の中を生きていくために家族という塊をつくった。そうして生きてきたけれど、他者に潰されないようにしないといけないという思いが強すぎて、大切なことを忘れてしまったのかもしれない。そして、楓はそんな兄が司と触れ合うことで元に戻ってくれることを期待していたの🦆。高屋敷家再建に出資してくれていた家属貿易公司ってきっと劉さんだよね。どこかで和解してほしいなと思う。

 そしてこの√でもう1人重要だったのが、準。後半の展開は準がいなかったらいろいろと大変だったかもね。それが重要だったと言いたいわけではなくて、準の成長が見えたのが重要だったと言いたい。茉莉√では謝ってきたとはいえお金を要求していた順だけれど、本√では「家族のために折る骨は、手間なんかじゃない」と言えていた。準の口からこんな言葉が出てくるんだ……!と感動した。

 この√はおそらくメイン√として設定されたためか、いろんな人物の大切な一面が見られた気がする。青葉が明確に(といっても直接的ではないが)司に好意を示しているシーンがいくつかあって微笑ましかった。「下僕になれたのに」とか「家を掃除しておくわ」とかね。伊佐坂も良いことを言っていた気がするのだが、何て言っていたか忘れてしまった。っていうか、音声は初公開だよね。他にも春花の夜泣きのシーンの真純の冷たい視線とかね。自分のところからすぐに司のところに抱き着きに行った春花に対する失望、自分は司ほどは頼りにされていないという落胆、自分よりも春花の方が司の近いところにいるという嫉妬などが含まれていたんだろうか。冒頭にも書いたように、私は人間の機微を理解するのが苦手だから、こういうとき悔しい。春花が「マツリ…ごめんね」っていうのも良いよね。やはり春花は抜けているように見えて他人の感情をよく察することができている。

 ちなみにパッパラパーなことを「アーパー」と言うらしいが、知ってた?テキストに出てきたけれど、何のことか全然わかんなかったから調べた。さすがにジェネレーションギャップ……。

 さて、次は宣告通り準√をやり直そうと思う。というか、調べてみたらどうやら自分が入っていたのは準√ではなかったっぽい。CG一覧を見てみたら準のところが2つほど埋まってなかったし、真の準√には入れてなかったのかも。準√はかなり評価が高いようなので、楽しみ。

 

〇名言

「夏の世の、いろはにほへと、ちりぬるを」

「古池や、人のとびこむ、水の音」by春花

こういう春花のギャグが面白いから、飽きずに楽しめる。

 

「おあいそ」by春花

愛想の丁寧語。

 

「一人では無理なことも、二人ならできるし」by司

まさにこれが家族を形成する意義だよね。

 

〇春花と学ぶ中国語

・媽媽…お母さん。

哥哥…お兄さん。

納西族は雲南省ベトナムなどと隣接している)あたりの少数民族らしい。玉龍雪山も実際にあるみたい。

 

〇時代

一人っ子政策…1979年から2014年まで。春花の発言まで忘れていたけれど、確かにそういう政策あったね。

新渡戸稲造5000円札1984年から2007年まで。家族計画が作られた時代を感じるよね。

マリファナは依存性が低いと準が言っていたけれど、調べてみたらそんなことはなさそう。γヒドロキシ酪酸についても調べてみたいわね。

 

【雑談】

 Fanza5周年ということで、50%OFFクーポンが配布されていました。50%OFFとはいえ、最大値引き額は1500円ということだから、実質、適用できるのは3000円までのものということでした。やはり、世の中そんなに甘くはない。いろいろ勘案した結果、「3days 満ちてゆく刻の中で」を購入しました。積んでいるものが多いので、やるのはかなり先になりそうですが、これも楽しみです。

【ゲームの感想】家族計画 #3

【ゲームの紹介】

 さて、おそらく折り返しであろう(ヒロインの3/5クリア?)家族計画、第3回となります。本当は準√をやる予定だったのですが(というかやった)、予定変更で茉莉√からです。準√をやる際、既読スキップをしているつもりが未読までスキップになっていたみたいで、準√が中途半端な感じになってしまいました。ですから、後日やり直して、その後、感想を書こうと思います。ということで、今回は茉莉√の感想記事です。3回目だからもう紹介はいいや!

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 茉莉の魅力について語ると、どうもロリコンの気が出てしまうので、困るのだが、かといって茉莉だけスルーするわけにはいかないので普通に書くことにする。ただ、くれぐれも私はロリコンではないということを覚えておいてほしい。

 まず1つはその純情さ。元々の家庭もあまり良いものではないったし(というと茉莉に怒られるだろうが、客観的に見てという話)、親戚の家での生活は最悪だっただろうに、よくもこんなに素直に育ったなと思う。ただ、そういう人生を送ってきたからか家族愛を求める気持ちは特に強い。普段、へらへらとしていることの多い茉莉だが、家族に関することとなると強く主張することも多く、(悲痛な叫びが多いせいか)いたたまれない気持ちになる。茉莉にはぜひ幸せになってほしいと思う。にしても茉莉の親戚の家はひどかったね。春花も「気持ち悪い」と言ってしまうくらいひどい人物ばかりだった。味方にいるときの青葉はものすごく頼もしい。

 第二にその可愛さ。主人公も「倫理観が破壊されるかもしれない」と言っていたが、自分もそうなるところだった。ちょこんとしていて可愛い。前で手を合わせている立ち絵が特にかわいい。未分化の性。この時期だけの美しさ。←主人公の言葉。ただ、自分も主人公の立場だったら茉莉の気持ちを受け入れるかどうかでものすごく悩むと思う。ただ倫理的に問題があるかどうかというだけでなく、もし受け入れた場合、家族計画の構図に大きな変更が生じるからだ。お互いを支え合っていくために疑似家族として兄妹になったから、真の恋人として本当の家族になるというのは勇気がいることだと思う。

 個人的にちょっと面白かったシーン。屋根の上から滑り落ちそうになって再び例の一枚絵が登場したシーン。あの重要なシーンの一枚絵をコミカルなシーンでも使い回すとは。景が準の代わりをするシーンも面白かったね。本物の準がふと帰ってきたら面白いなーと思ってたら、実際そうなって笑っちゃった。他の√だと準が言っていた「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」ってセリフを景が言っていて、やはり兄弟なんだなと思った。

 1つ謎が解決した。バスの事故だったんだね。青葉√でもだいたいは明らかになっていたが、完全には明らかになっていなかったから、すっきりした。主人公も青葉と同じで情愛を受けていた時期はあって良かったね。ただ、事故のショックとその後の親戚の家での仕打ちにより、孤独になってしまったわけだけれど。その点は茉莉と主人公は似たような境遇にあるわけだけれど、これはお互いのために良かったと思う。お互いの辛さをわかり合えるだけでなく、主人公が自分を見つめ直すきっかけになったのだから。

 家族計画終了のシーンのセリフがちょっと変わっていたね(もちろん個別√に分岐した後だから当たり前だけれど)。今までは寛が始めたくせに勝手に終わらせやがって的なことを言っていたが、今回はその部分はすでに了解しているようだった。しかし、寛の人生もかなり同情できる。幸せを追い求めていただけなのに、家族と離縁せねばならず、(真純√を見た感じだと)復縁できずにいるみたいだから。本人もある程度わかっていて、幻影を求めた末の家族計画なのだとしたら、なかなか悲しい計画だなと思う。これに対していろんな辛い経験をしてきたはずの(だからこそか?)主人公が「俺は、家族を捨てない」と決意するシーンはかっこ良かった。

 この作品のテーマの1つ(かもしれない)ものが提示されていた。「家族の意義とは」ということ。結局、全ての問題は己の帰結するのならば、成人にとって家族というものにどんな意味を持つのか。すべて1人で解決しないといけないのなら、家族など幻影にすぎないのでないか。人はそこに何を期待すべきなのか。これについて考えるために、主人公の最期のセリフにあった「糸」について考えてみる。主人公を絶望から引きずり上げた糸だけれど、言ってしまえばこれは「絆」に相当するのではないかと思う。情愛とも言えるか。人はその糸にすがらずにはいられない。無数の小さな接触がよりをかけて、糸を丈夫にはぐくんでいく。そして強固な絆になり、理不尽な現実世界でも「幸せに」生きていくことができるということなのだと思う。そして、その強固な絆の形成に家族が必要不可欠なのだと思う。主人公の言葉にもあったように、1人だと生きていくことはできるが、ただ、生きていくことしかできない。「幸せに」は生きていけないのだ。

 この√におけるもう1人の重要人物、青葉(青葉√でも茉莉がもう1人の重要人物だったね)。(高屋敷家は全員、心に欠けた部分があるという点では似ているが)特に青葉、主人公、茉莉は周りから情愛をほぼ受けずに育ったという部分で似ている。そのせいで次第に心を閉ざしていったのが主人公や青葉であるのに対し(人を信用せず好意を曲解し孤独を好む←劉の言葉)、茉莉はまだ諦めずに周りにすり寄っていく。同じように育ったはずの茉莉が自分と違う生き方をしていることに対して、青葉は恐れ・苛立ちを覚えているのだった。しかし、だからこそか茉莉に対して自分の犠牲も厭わないような優しさを見せることがあって、かっこ良いなと感じる。自分と同じような道を歩んでほしくないと思っている部分があるのだろうか。頬を赤らめながらも茉莉を連れ出しに行くと言ったシーンは可愛かった。火事場で司を奮い立たせるシーンは名シーンだと思う。このシーンは姉と弟の関係性が強く感じられて、そこも良いなと思った。

 10年後のシーンでは主人公の体がボロボロになっていたけれど、一体何があったんだ?

 準の胸ぐらをつかむシーンも良かったね。主人公は茉莉と同じくらい家族計画にのめり込んでいるだろうから、あれは納得の行動。主人公も青葉も茉莉も結局は寂しいだけ。そのまま準は出て行ってしまうのかと思ったら、ちゃんと謝ってきていて驚いた。準もお金って言う前に葛藤していたしね。準はなんだかんだで茉莉と仲良かったから(下の子には甘いのかもしれない)、余計に後ろめたく感じたのだろう。きちんと反省していた。

 大宇宙超真理教団に入ってみたい……?

 

〇名言

「戦士は生きている限り戦うもの―」by青葉

 

「本当に、カップラーメンより簡単だから」by春花

 

「司、生きることは、問答無用なのよ」

「くだらない気の迷いで命を粗末にすることは、愚かなことよ」

「立ちなさい」by青葉

このシーン、本当に好き。青葉姉さんかっこいい。こういうブレることのない芯の強さを感じられるような人が好き。

【ゲームの感想】家族計画 #2

【ゲームの紹介】

 年末から進めております「家族計画」の2回目の感想記事です。今回は念願の青葉√に突入できたので、その感想を書いていきます。プレイしてから日が経っているので、すでに記憶が薄れてきている部分もありますが、魂込めて書きます。変にあらすじを紹介するよりもopを見てもらうのが1番良いオススメの仕方なのではないかと思う。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 冒頭にも書いたように、本当は青葉√からやりたかった。が、初見プレイのときには真純√に進んでしまったから、2回目こそは青葉√を目指そうと頑張ったら、見事、突入することができた。もちろん他のキャラクターの√も気になるのだが、単純に青葉がきれいなお姉さんでタイプだからである。

 さて、青葉を端的に表すとするなら「本当の情愛というものを知らずに育ち、過去とプライドに囚われ雁字搦めになってしまった人物」といったところだろうか。青葉が祖父との共同生活時代を美化してしまうのも無理はないと思う。家族から愛情を受けることなく育った青葉が唯一安らぎを感じた時間なのだから。どんな人間でもやはり他人から情を向けられたいと感じるのだろう。青葉を支える唯一の土台とも言える部分だから、それが崩れ去るだろうと薄々気づいていたのなら、タイムカプセルを避けたくなるのもわかる。もし、自分が過去にも現在にも未来にも、何もあたたかいものを持たない人間になることを想像したら恐ろしい。しかし、実際は祖父は嫌ってなかったんだと知ることができて良かった。さすがに本当にここが崩れ去ってしまったら、青葉に救いがなさすぎる。こういう過去を知った後なら、青葉が家族計画に否定的だったのもうなずける。「全て空虚で、ほつれやすい、砂上の楼閣」

 青葉がやたら茉莉に当たりがきつい理由もよく分かった。この√をするまでは単純にタイプ的に合わないからかなー、いやでも、にしても当たりきつすぎるときあるしなーなんて考えていた。主人公が推察していたように、茉莉は似たような境遇でありながらなおも繋がりを求め続けているもんね。そう考えると茉莉はかなり強い子だなと思う。茉莉が青葉に対して「……わからずや」って言うところいいよね。

 「いたるところに欺瞞と猫かぶりと人殺しと毒殺と偽りの誓いと裏切りがある。ただひとつの純粋な場所は、汚れなく人間性に宿るわれらの愛だけだ。」←フレデリック・フォン・シラーという人の言葉らしい。青葉が紹介していた。なんかこれに関しては再作者が好きそうよね。青葉は今までこの言葉に対して、どういう気持ちでいたんだろう。信じたいけど、信じられないみたいな感じだったのかな。「理不尽で何が起こるかわからない世の中にあって唯一、誰もが正当な権利として声高に主張できる……情愛を求める気持ち」←この作品のテーマの1つと言えるのではないかと思う。

 ちなみに青葉のグラフィックで1番好きなのは屋根の上で会話するシーンのやつ。風呂場のやつも魅力的で良いんだけれどもね。屋根の上の青葉は背景の夜も合わさってものすごくかっこ良い。昔はあまりわからなかったけれど、黒色の良さというのが今となってはわかる。かっこいいよね。特に黒と白を基調にした服装が好き。黒一色でも良い。そんなこんなで自分のドタイプだった青葉姉さんでした。

 青葉の言っていたように、主人公は他のキャラクターが抱えている問題を少しずつ合わせたような人間なのかもしれないね。まだやってない√もあるから、これを意識してやっていきたいと思う。

 

 

 いつも通り謎も取りあげておこうと思う。

謎①主人公は過去の詳細は?

 火にトラウマを持っているような描写がある(赤いのはイヤだ)。事故に遭ったようだけれど。それで親を亡くした的なことを言っていた(自分をかばった)。より詳しいことは春花√とかでわかるのだろうか。

謎②劉さんの正体

 楓は「全てのことが露見してしまっても兄の良い友人でいてください」的なことを言っていたけれど、何が露呈するんだ?

 

〇名言

「人は一人でも生きていけるけど」

「それだと、生きていくことしかできないんだなって」by主人公

 

「過去は、裏切らない」by青葉

過去に囚われてしまった青葉の悲しい一言。ワイも同じように過去に囚われるタイプ。

 

〇メモ

三行半…「みくだりはん」って読むって知ってた?

【ゲームの感想】SuGirly Wish ~愛編~

【ゲームの紹介】

 さて、ずっとやってきたSuGirly Wishも今回で最終回です。今回は姫百合愛√が終わったので、その感想を書いていきます。After Storyやおまけストーリーの感想も書いていこうと思います。最後なので、一応あらすじも書いておきましょうか。ちょっとだけあらすじ紹介。

 

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 愛を最後に回していたのはメインヒロインだからというのもあるが、実はそこまで魅力を感じてないからという理由もあった。より正確に言えば、杏奈や胡桃が好きすぎてそれほど愛のことは好きには慣れてないという感じだった。しかし、愛√をやってみて愛の良さに気づいたから、まず愛の魅力について書いていく(両手と頭を使って3つ同時にトレイを持てるところとかね)。

 それは安定感である。これはひな√をやった後だから余計にそう感じたのかもしれない。ハチャメチャな感じになることは少なく、落ち着いてストーリーが進行していくから心穏やかに進めることができた。まさに正妻という感じであった。特にドキッとしたのは愛の敬語が外れるところ。これって愛√以外ではなかったよね?他では全て敬語だった気がするのだけれど。だから、急にため口でしゃべりかけられてドキッとした。ギャップ萌えというやつなのかもしれない。無理にたくさん言葉を交わすことなくとも、お互いの考えていることがわかっていて、見ていて安心した。そういうのもいいし、どっちも電話切りたくないってなってるシーンも良い。

 そんな2人だからこそ、言葉を交わさなかったためにすれ違ってしまうというシナリオになってたのは面白かった。バレないと思っていることはバレてるし、伝わってると思っていることは伝わってないってやつだね。

 愛√で注目だったポイントは、ひなとの関係であった。愛√をやるまでは、愛は主人公への恋の気持ちを自覚していると思っていたから、ひなに対して複雑な気持ちを抱いているのではないかと思っていた。しかし、自覚してなかったから多分そんなことはなさそう。ひなもひなで「どう頑張っても妹じゃ無理だもん。血が繋がってるもん。だから、アプローチは続けるの。いつかきっとお兄ちゃんが振り向いてくれるんだって信じて。」って言ってて、覚悟が決まってるなと感心した(まあ、ひな√をやってるから重々承知しているつもりではあったけれど)。愛に恋心を自覚させる役割として、良い働きをしてくれた。

 美少女ゲで着物キャラは珍しいよね(単純にプレイするジャンルの問題なのかもしれないが)。愛は黒髪じゃないからあまり似合わないだろうと思っていたが、全然そんなことなかった。

 そういえば、

突然現れるやつ

↑このFボタン連打の意味が初めて分かりました。ずっと謎だったけれど、成功するとちょっとした絵が見られるよう。今まで、ずっと失敗していたということなのか?毎回頑張ってFボタン連打してたのだけれど……。タイミングが違っていたのかもしれない。SuGirly Wishはヒロインが1人で悩むシーンを多くみられるのも良いところだと思う。まくらをぽすぽす叩く愛は可愛かったね。

 愛√をやっていて思ったけれど、寮のシーンが多いから必然、胡桃の登場シーンは少なかったね。他の√もすべて含めて考えても、胡桃の登場シーンは少ないのではないか。推しだからちょっとカナシ。

 そういえば、愛√をクリアしたら普段とエンディングが違ったのだけれど。これは全√をクリアしたからなのか、メインヒロインである愛の√をクリアしたからなのかどっちなんだろう。まあでも、達成感を感じられて良かった。

 こういうおまじないとか噂とか多い学園で生活するの楽しかっただろうなあ。

 おまけストーリーはシスター・サラについて掘り下げたものだった。本当におまけ程度だが、こういうのがあるのはちょっぴりうれしい。だいたい美少女ゲをやり終えたときって達成感もあるけれど、それと同じくらい喪失感を味わってるから、こういうおまけがあると少し心が安らぐ。

 2022年5月26日に購入し、やり始めたのが2023年7月。リアルが忙しかったというのもあり、そこからさらに7カ月近くかかってしまいましたが、楽しみながら完走することができました。そういえば、パッケージの水着姿の杏奈はどこで見られるの……?

 

【項目別】

 いつも通り①シナリオ②グラフィック③H度④システム⑤サウンドの5つの観点から振り返ってみましょう。

《①シナリオ》

 ★7です。これまで5つの記事にわたって書いてきているので詳しいことは省略しますが、けっこう面白かったです。本当に純粋な学園系のものをやりたい方にオススメです。個人的な推しは胡桃です。ゲームシステムと相性が良いと感じました。1人で悩み悶えるシーンが良い。

「安定してヒットを狙いにいける純愛系の良シナリオ」

《②グラフィック》

 ★8です。2011年発売のときはどうだったかあまり知らないのですが、私が購入したのはHD Renewal versionだったので、けっこうきれいなグラフィックでした。Girly Talkingのところはテキストだけなのである種、手抜きだという人もいるかもしれないが、あれはあれで想像力がかきたてられて良いのではないかと思った。物は言いようではあるが。どのキャラも可愛かった。見た目だけで選ぶなら杏奈が1番好き。杏奈に関しては中身も好きだけれど。というか、杏奈のビジュアルに惹かれて購入した記憶がある。

《③H度》

 ★7です。それなりにお世話になれるかなといった感じです。けっこういろんなキャラクターがそろえられているので、少なくともだれか1人は刺さるのではないかという感じでした。

《④システム》

 ★8です。セーブデータの数も多いし、ショートカットキーも設定できるし、かなり便利でした。まあ最近のやつはフローチャートがついてあったり、細かくコメントをつけられたりと便利なものが多いので、それに比べたら……ということで★8にとどめましたが、普通にやっていて不便に感じることはないと思います。

《⑤サウンド

 ★6です。ここはいつも通り。

 

 以上、★36/50でした!「学園物の純愛系がやりたいねん!」って人が周りにいたらオススメしてみはいかがでしょうか?

 

〇名言

「あちゃー、おちゃー、げんまいちゃー。でも飲んでるのは、ぎょくろー」by杏奈

玉露を飲んでいるときに使える一言。

 

「ぬるい!ナイル川よりもぬるい!」byひな

汎用性のあるセリフ。

 

「なに変な声を上げてるんだ?もしかして便秘か?」by主人公

主人公と同じように女子に対して使ってみよう。

 

「騙すって言い方がイヤなら、可能性の示唆、とでもしましょうか。」by朱音

今回はポジティヴなシーンで使われていたけれど、いろんなところで悪用しちゃおう。

 

【メモ】

ラビッツフット

マザーグース:ジャックの建てた家

ポプリの香り袋と一緒に月光にあてる

メーテルリンクの七色の花

 

【雑談】

 とりあえず当面の目標はsense offと家族計画を楽しむことになりそう。はつゆきさくらもやってみたいなと思った。他に積んでいるゲームがあるから先にそちらからやるだろうけれど。

【アニメの感想】金田一少年の事件簿~タロット山荘殺人事件~

【アニメの紹介】

 久しぶりとなるアニメの感想記事です。といっても、毎度おなじみ金田一です(7回目)。アニメの40話~42話にあたります。人間関係がかなり複雑な(?)事件ですが、金田一の追い詰め方や推理のきれいさもあって、けっこう好きな事件です。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【事件の解き方】

《論理的思考によるもの》 ←括弧の種類を変えた

 速水雄一郎による殺人はもろ描かれているから、陰の脅迫者を推理することにする。考えるべきは、①伊丹の遺体を移動させられる②速水雄一郎を殺しうるの2条件を満たす人物である。

 ①に関しては金田一が推理したように、朝8時から9時までのアリバイを考えればよい。といっても滝下、玲香が一緒に食事の用意をしていたぐらいしか明かされていないから、あまり絞りようがないのだけれど。

 ②が本題である。明らかに金田一睡眠薬を飲まされている様子だから、金田一の部屋を通り抜けるのは誰であっても可能だと考える。この段階で残ってるのは、辻、井上、北条、小城の4人。井上は小城の部屋を経由しないといけないからダメ。辻と共犯の可能性はあるけれど(墓場島みたいに)。北条の部屋がどこかはわからないけれど、これまた辻と共犯じゃないと無理。よって可能なのは辻、小城の2人になる。絞れへんやん……。

 アニメだとある程度情報が省略されてしまっているから仕方ないかもしれない。1kill目のときにアリバイについてあまり情報がないからね。そっちで辻がはじけるのかもしれない。

 

《直感によるもの》

〇辻健二…急にやってきた怪しいやつ。容疑者にはなり得る。

〇井上正子…影の薄いおばさん。何も関係なさそう。

〇北条アンヌ…きれいな人。けっこう怪しい。

〇小城卓也…気の弱い眼鏡+マネージャー=犯人(高遠の法則)。

〇滝下間太郎…ただの厄介ファンっぽい。犯人にはならなそう。

赤間…スケベおやじ。まあ、間違いなく死ぬ。

〇伊丹…性格の悪いライター。まあ、間違いなく死ぬ。

 

【感想】

 今回は珍しい脅迫による殺人+真犯人の殺人という2段階の事件。仏蘭西銀貨殺人事件を思い出すネ。この形式の良いところは、脅迫殺人の犯人を金田一が追い詰めるのを見て楽しむという古畑任三郎的な面白さがあるところ。脅迫殺人の方は視聴者にも犯人がわかっているから、それを金田一がいかにして追い詰めていくかというのを初見のときから楽しめて面白い。後半はいつも通り、真犯人が誰であるか予想しながら楽しめるから、一石二鳥の形式だね(まあ、毎回この形式は飽きるから嫌だけれど)。特に今回の金田一の追い詰め方はなかなかいやらしいと思う。古畑任三郎の第2話「動く死体」を思い出したね。でも、自分も速水の立場だったら吸い殻、掃除しちゃう🦆。

 今回の事件は金田一の推理も「確かに確かに!」ってなる部分が多く、「そ、そんな断言できるのか……?」ってなることがなかったから良かった。伊丹殺しの暴き方、タロットの正位置を利用した犯人の炙り出し方などなど、自然で良かった。

 それにしても今回はめちゃめちゃ人間関係が複雑だよね。複雑というか運命のめぐりあわせというか。速水雄一郎、玲香、小城、伊丹と当時の関係者(死亡した、小城の父親以外)が集まっているのだもの。皮肉な運命のめぐりあわせというものか。一瞬で速水雄一郎の正体を見破った伊丹、なかなかすごいと思う。自分が今まで信じていたものが覆され、育ての父を失い、実の兄も失うというのを、一度に体験することになった玲香ちゃんは気が狂ってもおかしくなかったと思う。それでも、元気に活動を続けているのだから、強い子だなと思った。小城も死んでしまったけれど、最後に昔は応えられなかった「お兄ちゃん、助けて」という願いに応えられたから、少しは未練が解消されたのではないかと思う。今回は全面的に犯人に同情している。

 関係ないけれど、追い詰められてるときの眼鏡が曇った小城、雪夜叉伝説殺人事件の氷室一聖に似ているよね。

 何かの間違いで、小城が吊るされた男をきちんと正位置に置けていたら、ちょっと気まずかったね。

 

【雑談】

 アニメ化されてないけれど、ドラマ化されてる話の記事でも書いてみるか。