【ゲームの感想】景の海のアペイリア #1

【ゲームの紹介】

 さて、今回から新しいゲームに突入していきます。本日、記事にさせていただくのは「景の海のアペイリア」(SILKY'S PLUSより2017年7月28日に発売)です。SILKY'S PLUSというと缶詰少女ノ終末世界やふゆから、くるるなどを発売しているところですね(私がやったことあるのはこれくらい)。SFの作品が多いのでしょうか。実は購入したのは2022年の8月24日ということで、多分サマーセールのときに買ったのだと思います。というか、今、購入履歴を見直したら上に挙げた3作品を同じ日に購入しているので、「3本選んで〇〇円(多分6000円)」のセールで購入したのだと思います。SFが好きなので、どれも購入して良かったと思ってイマス(現時点で完走しているのはふゆから、くるるだけですが……)。私事はさておき、ちょっとだけあらすじ紹介……。

 AIに興味を持っていてた主人公はふとした拍子に、自我と感情を持つAI「アペイリア」を創ってしまう。アペイリアに会うために、主人公は友達と一緒に仮想空間ログインするが……。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 今回は三羽の秘密を知るところまでの感想を書いていこうと思う(一旦、自分の脳を整理したかったというのもある)。今、め↑ちゃ面白い。こんなゲームを今まで積んでしまっていたなんてもったいない!

 エモーショナルな感じで始まったかと思えば、唐突なド下ネタが展開されるということで、初めてやったときはすぐにやめちゃったけれど、続けてみたらかなり面白い。その面白さについてはこれから詳しく書いていくけれど、下ネタ部分に関しては合う・合わないが出てきそうだと思った(美少女ゲで何を言っているんだという話ではあるが)。特に冒頭部分は悪ノリでなかなか会話が進まないところが多く、もどかしく感じることもある🦆。バトルシーンも主人公のデザイアの都合上、下ネタの悪ノリになることが多く、苦手な人は苦手かもしれない。私は別にぬきたしとかでも問題なかったから、気にせず(むしろ面白がって)進めることができた(ただ体調が悪い日は少ししんどかった)。

 今は多分まだ半分くらいしか進められてないのだろうけれど、多くの伏線が回収され始めていて、め↑ちゃ面白い。続きが気になってしかたない状態になっているから、アタリだったなと思う。かなり多くの伏線が鏤められているから、伏線回収好きの人にはオススメである。

 さらに特徴として挙げられるのが、がっつり(プロの人からしたらそうでないのかもしれないが)量子論を出してくるところ。ちなみに、私は未だに量子化学と和解できていない。ウイルスの正体が量子だって出てきた段階で相当身構えたが、その後、普通に二重スリットの話が出てきたときはさすがにオートプレイを止めた。自分の脳みそを整理するためにもここでまとめ直しておく。

・二重スリット実験「粒子と波動の二重性を示したい実験」

と書き始めようと思ったが、勉強に時間がかかりそうだから別の記事でまとめることにする。ストーリーを進めるにあたって重要そうな言葉だけ抜き出しておくと、「可能性は可能性に干渉し、別の可能性を作る」

・遅延選択実験

これも同様に後日まとめることにする。とにかくスクリーンの干渉縞が消えていたことから観測者の存在が示唆された(理系出身とは思えない要約の仕方……)。

 もう1つやっていて面白いなと思ったのは、主人公たちの論理的思考の展開。クリーンルームましろと一緒にタイムリープを知らせる方法を考えたシーンは「たしかに~!」と画面の前でうなった。ましろクリーンルームの中にいるという設定にしたのは、この展開により説得力を持たせるためなのかと穿った見方をしてしまったくらい。ましろも記憶を保持していてなおかつましろクリーンルームの中にいるというのは若干無理やりな気がしたが、タイムリープの詳細な条件がわかっていないので何とも言えない。主人公とシンカーのバトルがかなり面白い。

拉致監禁した久遠を殺すという脅しに対して

(1)シンカーが観測者である場合

 零一がタイムリープできないということがわかっているから簡単に久遠を殺せる。しかし、そうしてしまえば自分が観測者であるとバラすようなものであり躊躇われる。

(2)シンカーが観測者でない場合

 零一がタイムリープできるかどうか知らないため、殺すのが躊躇われる。

(1),(2)よりシンカーは久遠を殺せないと結論を出したわけだが、シンカーのことについてよく知っていると知らせてしまったということであり、逆にシンカーはそれを零一がタイムリープしていることの根拠としたわけだ。こういうやり合い、見ていて面白い。シンカーと零一のダウトゲームはかなり面白かった。とはいえ、シンカーは最後の解答「タイムリープの方法を知らない」で正直に答えたうえで襲ってきたかもしれないだろ!と言いたくなった。しかし、シンカーは観測者じゃない気がするんだよなあ。

 そしてSF好きのテンションが上がるような用語が多く登場するというのも、アピールポイント。DNAコンピュータ。シリコン半導体の代わりにDNA塩基を用いたコンピュータ。量子コンピュータ。量子脳理論。「俺たちが5人そろって会える唯一の場所、0と1の世界へとーー」って表現かっこ良いよね。タイムリープという設定自体は珍しいものではないけれど、それでもやはり心くすぐられる設定だよね。タイムリープを超えてもなお、心に残っているもの……、こういう設定は安易な気もするけれど好き。

 ここまでいろいろとカタイことを書いてきたけれど、普通にキャラの可愛さも魅力の1つだと思う。「ネガティヴ」のとき、指をばってんさせているアペイリア可愛いよね。三羽もかなり好き。零一が評していたように意地っ張りだが寂しがり(Aが上がることに変わりはない)なところが良い。誘い受けの素質🐜。嗜虐心を煽る。単純にドMなので、「嫌いです」が口癖の人とは相性が良いかもしれない。久遠も久遠でえっちぃお姉さんとして最強のポジションを確立している。真面目な話をすると、この手のゲームに久遠のようなちょっと勉強が苦手な子は必要だと思う。小難しい話の要点を聞き出したり、見ている人が疑問に思うことを尋ねたりする役割として。ホームズのワトソンポジションね。

 ちなみに現状、Hシーンもかなり良い感じです。正直、どのシーンも良い。七海と沙羅のシーンでは新たな門が開きそうになった(元々、ある程度、開いていたのかもしれないが)。三羽とのシーンは自分の中の隠されたS心が目覚めさせられそうになる。

 しかし、もし自分が零一たちの立場だとしてセカンドにログインできるかと言われればできないと思う。愛着があるとはいえ、またつくり直せば良いと考えてしまう。しかし、零一に自分たちだってタンパク質の集合体にすぎないと言われて何も言い返せなくなってしまった。確かに、何で構成されていようが感情と自我を持っていれば、それは生命と呼んで差し支えないのかもしれない。

 

〇謎

①久遠は異常に嘘を嫌うが、理由はあるのか?

 性分という言葉では片づけられないぐらいの嫌いようだったが、なにか理由があるのだろうか?

②サードの中身は?

 時間稼ぎのためにシンカーと使うシーンが出てきて、「おお!ここで出て来たか!」となったが、まだ再登場しそうな気はする。というのも、エクストラモードの舞台はおそらく遺伝子研究所だから……?

③零一のメールアドレス「αγβ-kirishima-reiichi@αmale.co.jp」に意味はある?

 なかなか特殊なメールアドレスだけれど、零一がイタイだけなのか、この時代では普通なのか、それ以外の意味があるのか、意味はないのか、どれなんだろう。

④02ルームから送られてくるメールの末尾@scが意味するものとは?

⑤απειριαの名前の由来は?

⑥雷が落ちただけでアペイリアが誕生した理由は?

 このときのアペイリアのセリフ、面白いよね。「なぜ、自分は自我を持っているのか」という問いは、確かに「生まれたから」という答えしか思いつけない。そもそも「自我」というものをどう定義したらよいかわからない。「意識を持っているのは自分だけで、他の人間はみんなただプログラムされたとおりに動いているだけのロボット」っていう考えは、誰しもが一度はやったことがあると思う。

 一部解決。誰かが最初に未来でアペイリアを創り、その意識が過去の時間軸に影響を与え、零一がアペイリアを創ること成功した。ここで重要な考え方「未来の意識が、過去の意識に影響を与えることもある」。これも量子論的な考えから類推されていた。

⑦アペイリアの見た目が少女である理由は?

 零一のヒトゲノムデータを用いたにもかかわらず、外見は零一と全く異なるものになっている。これはなぜ?

⑧アぺイリアが元々使えるクラウドのコンピュータに気づかなかったのはなぜ?

→一部解決。アペイリアがアクセスしたのは717億台(インターネット上に存在するありとあらゆるコンピュータ)。しかし、アペイリアはこれらは外部のネットワークではないし、不正アクセスでもないと言っている(短時間でこの膨大な数のコンピュータにアクセスし、ネットワーク化することは不可能)。最初から717億代のネットワークが構築されていたなんてありえないが、そうとしか言えない状況になった。仮想化アペイリアシステムは717億台のネットワークで構成されている。

 ここで以下のように疑問点を変更しておく。

⑧’717億台のネットワークはいつ構成された?

 これは「伝わる意識」説で説明できる。未来のアペイリアネットワークが717台の持つ微弱な意識に影響を与えてネットワーク化した。

タイムリープの仕組みは?

 今のところタイムリープが発動する条件や記憶を保持したままタイムリープをする条件などわかってないことが多い。アペイリアネットワークによる仕業か?と、ここでいつも通りトンデモ予想!

予想①零一たちが現実世界だと思っている世界ですら仮想空間でしかない。

 現実世界から仮想世界「セカンド」に入り、さらにその中で仮想世界「サード」に入ったように、そもそも零一たちが現実世界だと思っている世界の更に外側に世界があるのかもしれない。外側の世界が有るか無いかというよりも、現実だと思っている世界が仮想世界というのがポイントかもしれない。もしそうなら、タイムリープだと思っているのは、単純にゲームがリスタートされているだけなのかもしれない。

 タイムリープした後、未来を変更しようとしたら未来が変わってしまうという現象についてもいくつか説が出てきた。観測者が変えているという説、観測者が意図しているわけではなく自然がそのように動いているだけ(我々が意味を見出そうとしてしまっているだけ)説。できるだけ矛盾が少なくなるように(前の時間軸と同じになるように)自然が自動的に修正される。しかし、零一が疑問に思っていたように、できるだけ矛盾を少なくしたいのなら記憶も未来予知メールも消してしまうことだと思うのだ。そう考えると、干渉できる力に限界がありそうな気がして、観測者を想定したくなる。そして、観測者はメールに干渉できない。

⑩観測者は誰か?そもそも存在するのか?

 今のところ、観測者の目的はアペイリアを手に入れることであり、そのために(狙ってかどうかは定かではないが)アペイリアをセカンドに閉じ込めることになった、という解釈で進んでいる。現状、シンカーが怪しいという話だったが……。

⑪三羽が飲むヨーグルトが好きなのには何か関係がある?

 これはいつもの考えすぎ、理由を求めすぎというやつなのかもしれない。

⑫空観の妻、永久子は何か関係ある?

 一周忌で空観がお墓参りに行っていたようだけれど。

⑬サーバ796には何か意味がある?

 2回目の世界線では空観に頼んでアペイリアをログインさせてもらってたけれど、そのときにログインしたのがサーバ796。何か意味深な数字だねぇ。

⑭ウイルスの正体は?

 ウイルスは突然、発生したようだけれど、そもそもどこからやって来たんだ?行動に学習が見られることやユグドラシルを守っていることから観測者が操ってるっぽいけれど、それも推測でしかない。もしその推測が当たっているなら、シンカーは観測者じゃないっぽい。

⑮シンカーを倒した直後の零一を刺したのは誰?

 これに関しては全く見当もつかない。

⑯02ルームはどういう存在?

 タイムリープする前に一度、この部屋を経由しているけれど、この部屋は一体、何なんだろう?@scを足したメールは02ルームのパソコンに届き、02ルームのパソコンからメールを送るとタイムリープ直後に受信する。これくらいしかわかっていることがない。

⑰遺伝子研究所の詳細は?

 何やら怪しいところだけれど……。サードのエクストラモードで出てきたのはここだろうか?

⑱2回目のタイムリープが1年前だったのはなぜ?

 零一の推理したように、できるだけ観測者が行動を起こさないようにして、零一に未来を変えさせるためだろうか?三羽のことといい、続きが気になってしかたない。このとき、三羽の様子が少し変だったと零一は感じていたけれど(あいつがあんなに素直に礼を言うなんて珍しい)、何かあるのだろうか?

⑲アペイリアネットワークが色宝箱の中に色宝箱を入れるという発想を見落とすか?

 そうは思えないのだが。考えすぎなのだろうか。

⑳アペイリアは誕生日メールを送る日を間違えたけれど、本当にただ間違えただけなのか?

 感情ができてミスをするようになったとはいえ、アペイリアがそんな単純なミスをするようには思えないけれど?

バウンダリーβテストが1年延びた理由は?

 永久子の死と何か関係があるのだろうか?

㉒ウイルスの正体を考えるとき、久遠が背を向けている瞬間があったけれど、あのときは何を考えていたんだろう?

 自分の人生には関係ないやという考えをしていたというのが、素直な考えなきがするけれど、そうでない気もしてきた(チョッカン)!やつはものすごく賢くて、やつこそが観測者なのではないか!?というトンデモ予想をしておく。予想を言いまくるのは自由ですからね。

 

〇メモ

・機械知性の法則…

無停電電源装置UPS:Uninterruptible Power Supply)…蓄電機的な物で停電時に一時的に電気を送るもの。

・回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)…光ファイバーが伝える光信号をデジタル信号へ翻訳する装置。

・ミズガルズ

チューリング・テスト…機械が人間的かどうかを試すテスト。AIは欲求を持たないため、それについて追及するとボロが出る(by零一)。

・技術的特異点(シンギュラリティ)…人工知能が人間の知能を凌駕する時点。

EEG(electroencephalogram)…脳波。

・アペイリアの呪文

 esplosione:イタリア語で爆発

 fiamma:イタリア語で炎

・久遠のデザイア

 アトロポスギリシア神話の女神で運命を司る

・JウイルスのJってどういう意味なんだろう?

・観測無しにデコヒーレンスが起きると多世界解釈の論拠が弱まる

・コストは1つだがデザイアは複数可

 

〇名言

「変態を自重できる人間がどこにいるっ?自重できないからこその変態だっ!」by零一

 言ってることは最低なのに、納得してしまった。

 

「なに……?これ……?なにをしているの?わからないのに、すごく気持ち悪い……」by七海

主人公の絶剣を見て放った一言。

 

「動くな、童貞だ」by主人公

バトルシーンは途端にギャグと化す。

 

「正しくは5/8勃起だ」by零一

便利な表現ね。これから使わせていただく。