【アニメの感想】金田一少年の事件簿~タロット山荘殺人事件~

【アニメの紹介】

 久しぶりとなるアニメの感想記事です。といっても、毎度おなじみ金田一です(7回目)。アニメの40話~42話にあたります。人間関係がかなり複雑な(?)事件ですが、金田一の追い詰め方や推理のきれいさもあって、けっこう好きな事件です。

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【事件の解き方】

《論理的思考によるもの》 ←括弧の種類を変えた

 速水雄一郎による殺人はもろ描かれているから、陰の脅迫者を推理することにする。考えるべきは、①伊丹の遺体を移動させられる②速水雄一郎を殺しうるの2条件を満たす人物である。

 ①に関しては金田一が推理したように、朝8時から9時までのアリバイを考えればよい。といっても滝下、玲香が一緒に食事の用意をしていたぐらいしか明かされていないから、あまり絞りようがないのだけれど。

 ②が本題である。明らかに金田一睡眠薬を飲まされている様子だから、金田一の部屋を通り抜けるのは誰であっても可能だと考える。この段階で残ってるのは、辻、井上、北条、小城の4人。井上は小城の部屋を経由しないといけないからダメ。辻と共犯の可能性はあるけれど(墓場島みたいに)。北条の部屋がどこかはわからないけれど、これまた辻と共犯じゃないと無理。よって可能なのは辻、小城の2人になる。絞れへんやん……。

 アニメだとある程度情報が省略されてしまっているから仕方ないかもしれない。1kill目のときにアリバイについてあまり情報がないからね。そっちで辻がはじけるのかもしれない。

 

《直感によるもの》

〇辻健二…急にやってきた怪しいやつ。容疑者にはなり得る。

〇井上正子…影の薄いおばさん。何も関係なさそう。

〇北条アンヌ…きれいな人。けっこう怪しい。

〇小城卓也…気の弱い眼鏡+マネージャー=犯人(高遠の法則)。

〇滝下間太郎…ただの厄介ファンっぽい。犯人にはならなそう。

赤間…スケベおやじ。まあ、間違いなく死ぬ。

〇伊丹…性格の悪いライター。まあ、間違いなく死ぬ。

 

【感想】

 今回は珍しい脅迫による殺人+真犯人の殺人という2段階の事件。仏蘭西銀貨殺人事件を思い出すネ。この形式の良いところは、脅迫殺人の犯人を金田一が追い詰めるのを見て楽しむという古畑任三郎的な面白さがあるところ。脅迫殺人の方は視聴者にも犯人がわかっているから、それを金田一がいかにして追い詰めていくかというのを初見のときから楽しめて面白い。後半はいつも通り、真犯人が誰であるか予想しながら楽しめるから、一石二鳥の形式だね(まあ、毎回この形式は飽きるから嫌だけれど)。特に今回の金田一の追い詰め方はなかなかいやらしいと思う。古畑任三郎の第2話「動く死体」を思い出したね。でも、自分も速水の立場だったら吸い殻、掃除しちゃう🦆。

 今回の事件は金田一の推理も「確かに確かに!」ってなる部分が多く、「そ、そんな断言できるのか……?」ってなることがなかったから良かった。伊丹殺しの暴き方、タロットの正位置を利用した犯人の炙り出し方などなど、自然で良かった。

 それにしても今回はめちゃめちゃ人間関係が複雑だよね。複雑というか運命のめぐりあわせというか。速水雄一郎、玲香、小城、伊丹と当時の関係者(死亡した、小城の父親以外)が集まっているのだもの。皮肉な運命のめぐりあわせというものか。一瞬で速水雄一郎の正体を見破った伊丹、なかなかすごいと思う。自分が今まで信じていたものが覆され、育ての父を失い、実の兄も失うというのを、一度に体験することになった玲香ちゃんは気が狂ってもおかしくなかったと思う。それでも、元気に活動を続けているのだから、強い子だなと思った。小城も死んでしまったけれど、最後に昔は応えられなかった「お兄ちゃん、助けて」という願いに応えられたから、少しは未練が解消されたのではないかと思う。今回は全面的に犯人に同情している。

 関係ないけれど、追い詰められてるときの眼鏡が曇った小城、雪夜叉伝説殺人事件の氷室一聖に似ているよね。

 何かの間違いで、小城が吊るされた男をきちんと正位置に置けていたら、ちょっと気まずかったね。

 

【雑談】

 アニメ化されてないけれど、ドラマ化されてる話の記事でも書いてみるか。