【アニメの感想】金田一少年の事件簿~鬼火島殺人事件~

 

【アニメの紹介】

 いつも通り、金田一少年の事件簿です。アニメの64話~67話にあたります。これで6回目になります。前回(記事の公開順的には前々回ですが)の墓場島殺人事件からの島繋がりになりました(狙ったわけではないですが)。派手さがあるわけではないですが、かなりきれいな事件で、あまり金田一を知らない人にもお勧めできる回だと思っています。

以下、重要なネタバレを含む。

 

 

 

 

 

 

 

【内容】

 いつも通り、まず事件の解き方から。

【事件の解き方】

【論理的思考によるもの】

 今回は、本当にトリックがわかるかどうかの勝負だと思う(そりゃ当たり前なんだけれど)。第三の加藤の殺人に関しては特に細かい情報がないので、第一の森村殺人と第二の椎名殺人で考えていくことになる。

 第一の森村殺人について。まず事件に関係してそうなことを書きだしてみる。

・鬼火が飛んでいた

・開ける前のガサゴソという物音

・ゴミ箱(金田一がゴミ箱にぶつかるシーンがある。これが何の意味もないシーンとは考えにくい。)

・窓は開けられていない

・部屋は椎名の部屋と内扉でつながっている

この情報を眺めながらファイバースコープのことを思い出すしかない。初っ端に出てきたファイバースコープをどこまで覚えているかだよね。最近のコナンでも似たようなのがあった気がする(スマホの映像をドアスコープにうつすやつ)。鬼火に関してはあるあるの「メインの事件と平行して起こっていた小事件」ねー、はいはい、ってすぐになれる。もしこのトリックがわかれば、この時点で椎名が犯人だと断定できる。

 第二の椎名殺人について。椎名を犯人だと思えないとこれは沼にはまることになると思う。「足跡」というとミステリーではトリックの題材としてよく使われるもんね。何かうまいこと偽装したんじゃないか?といろいろ考えているとよくわからなくなってくる。金田一でも「金田一少年の殺人」や「雷祭殺人事件」で足跡に関するトリックがあったよね。アリバイがないのは川崎先生のみだが、さすがに犯人じゃない気がするし、ということで悩む。いろいろ考えたけれど、砂が降り出して以降に礼拝堂に入って、その足跡がバレないようにするのは無理な気がする。とはいえ、いろいろ疑いたくなってしまうもの。だから、第一の森村殺人が今回の事件の勝負だと思う。それがわかれば第二の殺人も同時に解決することになるから。

 

【直感によるもの】

〇新谷百合…めっちゃ犯人っぽい。犯人臭プンプン。

〇大野公平…ベジータ。犯人の可能性ちとアリ。殺されることはなさそう。

〇塚原伝造…関係ないただの寮長でしょうな。

川崎洋三…犯人ではないだろう。犯人にとって致命的な証拠を発見して殺されることはありそう。

〇花村麻実…これまた犯人臭プンプン。首吊り学園殺人事件を思い出す。

〇加藤賢太郎…まあ殺されるでしょうな。

〇太田綾…殺されることはあっても、犯人にはならないだろう。

〇白石美穂…め↑ちゃかわいい。殺されないでほしい。デンパ系だから事件とは関係ない(この法則には例外アリ)。

〇森村圭一…まあ殺されるでしょうな。

〇椎名真木男…犯人の可能性アリ。

〇川島豊…お調子者。こういうやつが豹変する可能性もある。

今回、容疑者リストの人物が多いというのもあってか、怪しい人物が多い。特に、新谷と花村の犯人臭がすごい。椎名も犯人臭がするのだが、それ以上に新谷と花村の犯人臭がすごいため、難しい。

 

【感想】

 金田一の塾・学校関係のお話ってけっこう面白いやつが多くて好き。学園七不思議殺人事件、首吊り学園殺人事件、獄門塾殺人事件……どれもオススメ。

 金田一の医療関係者はやはりクズしかいなかった(川崎先生はまだマシか)!院長の息子とか理事長の息子とか医大のボンボンとか、金田一の世界では悪いやつばかり(作者が嫌なイメージでも持っているのか?)。魔犬の森の殺人、怪盗紳士の殺人、聖バレンタイン殺人事件……、どれも極悪人ばかりです。

 やっぱりopの「君がいるから…」良いですよね。みんな自由に生きているように見えて、誰もが孤独を抱えている、そんな平成初期の空気感がつまっていて好き。ED見てたら広末涼子の名前が出てきて複雑な気持ちになってしまった(今、いろいろと話題ですからね)。

 椎名君、最初に見たときには何もなかったということは、12時になるまで待機してて、12時になった途端森村吊るしたんかな。なんか律儀やね。椎名はかなり名演技多かったよね。相当な覚悟を持ってこの殺人に臨んでいたんだなってのがわかる。その点、新谷は鬼になりきれんかったんやね。というか、何気に椎名のピッキング技術がすごい気がする。

 金田一、1日目と2日目、同じ服着てない?他の人は服着替えているようだし、金田一君も着替えなよ。

 「ここのセミナーの出身なんですか?」て聞かれたときの大野キレすぎやろ。

 「でも!それを証明することは出来ませんよね!」こんなんノリノリでいわれたらそらキレるわ。これに関しては川崎先生の味方をしたくもなるが、最有力候補である状況で、一人でズカズカ部屋を出ていくのはさすがに問題がある気が。

 はしご運んでるときの川島の目怖い。

 新谷さんのキャベツ切るシーン、これ以降opで使われていたよね。聖バレンタインの殺人にも同じくただキャベツを切っていただけの人がいた気が。

 ドアごしに会話するシーンいいね。時計仕掛けの摩天楼の最後のシーンみたい。

 成績上がってるのに「医者になりたくねー」でむかつくのはわかる。いじめて良い理由にはならないけれど。海老沢の場合は努力で成績が上がったわけだから、違う状況にはなるが、持って生まれた者の「この状況望んだことじゃないんだよね」的な発言は、持たざる者からしたら不快でしかないと思う。暗殺教室でも、それが原因で渚とカルマが揉めることになるよね。

 殺害方法にこだわりがあるようです。海老沢も首吊りだったみたいだから、全員同じやり方で葬ろうとしたのだろう。

 今回は珍しく犯人の説得に成功する。とはいえ、新谷がいなかったら、説得失敗してそうな雰囲気あったよね。川崎先生も言っていたが、「人間の尊厳に対する無差別な敬意」は金田一の武器であると思う。金田一が何が何でも椎名を下ろそうとしていたら、それで真相が発覚していたのだから。もしその場合、良心が事件を解決に導いたってなってなんかステキ。

 はじめに書いたけれど、今回の事件かなりきれいなんだよね。必要最低限のトリック、復讐殺人の完全遂行、犯人の意外性、犯人に自殺を思いとどまらせることに成功……、どれも良い。もし海老沢が目を覚ましたとき、海老沢にだけは椎名が犯人だと伝わるようになるっていう仕組みが良いなあと思った。いじめに荷担しておいて自分勝手だと思われるかもしれないけれど、それでも自分が人生の最後に全力をかけて行った罪滅ぼしを理解してほしいっていう椎名の気持ちに感動した。(ばらってそういうこと?さすがに邪推か。)

 海老沢が起きた後、小説の続きを書くとしたらどのように書くんだろう?椎名から今回の話を聞いて、金田一が説得したような感じで続きを書くのかな?ぜひとも読んでみたい。

 

【まとめ】

 鬼火島殺人事件はかなりとっつきやすい回だと思っているので、みなさんも他の人に金田一を勧めるときに候補の1つとして考えてみてはいかがでしょうか?

 記事予定:狂気の山脈にて、由乃編、ぼく×、SuGirlyWish、少女革命ウテナヨルムンガンド魔法少女マジカルデストロイヤーズ