【ゲームの感想】家族計画 #3

【ゲームの紹介】

 さて、おそらく折り返しであろう(ヒロインの3/5クリア?)家族計画、第3回となります。本当は準√をやる予定だったのですが(というかやった)、予定変更で茉莉√からです。準√をやる際、既読スキップをしているつもりが未読までスキップになっていたみたいで、準√が中途半端な感じになってしまいました。ですから、後日やり直して、その後、感想を書こうと思います。ということで、今回は茉莉√の感想記事です。3回目だからもう紹介はいいや!

以下、重大なネタバレを含む……。

 

 

 

 

 

 

 

【ゲームの感想】

 茉莉の魅力について語ると、どうもロリコンの気が出てしまうので、困るのだが、かといって茉莉だけスルーするわけにはいかないので普通に書くことにする。ただ、くれぐれも私はロリコンではないということを覚えておいてほしい。

 まず1つはその純情さ。元々の家庭もあまり良いものではないったし(というと茉莉に怒られるだろうが、客観的に見てという話)、親戚の家での生活は最悪だっただろうに、よくもこんなに素直に育ったなと思う。ただ、そういう人生を送ってきたからか家族愛を求める気持ちは特に強い。普段、へらへらとしていることの多い茉莉だが、家族に関することとなると強く主張することも多く、(悲痛な叫びが多いせいか)いたたまれない気持ちになる。茉莉にはぜひ幸せになってほしいと思う。にしても茉莉の親戚の家はひどかったね。春花も「気持ち悪い」と言ってしまうくらいひどい人物ばかりだった。味方にいるときの青葉はものすごく頼もしい。

 第二にその可愛さ。主人公も「倫理観が破壊されるかもしれない」と言っていたが、自分もそうなるところだった。ちょこんとしていて可愛い。前で手を合わせている立ち絵が特にかわいい。未分化の性。この時期だけの美しさ。←主人公の言葉。ただ、自分も主人公の立場だったら茉莉の気持ちを受け入れるかどうかでものすごく悩むと思う。ただ倫理的に問題があるかどうかというだけでなく、もし受け入れた場合、家族計画の構図に大きな変更が生じるからだ。お互いを支え合っていくために疑似家族として兄妹になったから、真の恋人として本当の家族になるというのは勇気がいることだと思う。

 個人的にちょっと面白かったシーン。屋根の上から滑り落ちそうになって再び例の一枚絵が登場したシーン。あの重要なシーンの一枚絵をコミカルなシーンでも使い回すとは。景が準の代わりをするシーンも面白かったね。本物の準がふと帰ってきたら面白いなーと思ってたら、実際そうなって笑っちゃった。他の√だと準が言っていた「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」ってセリフを景が言っていて、やはり兄弟なんだなと思った。

 1つ謎が解決した。バスの事故だったんだね。青葉√でもだいたいは明らかになっていたが、完全には明らかになっていなかったから、すっきりした。主人公も青葉と同じで情愛を受けていた時期はあって良かったね。ただ、事故のショックとその後の親戚の家での仕打ちにより、孤独になってしまったわけだけれど。その点は茉莉と主人公は似たような境遇にあるわけだけれど、これはお互いのために良かったと思う。お互いの辛さをわかり合えるだけでなく、主人公が自分を見つめ直すきっかけになったのだから。

 家族計画終了のシーンのセリフがちょっと変わっていたね(もちろん個別√に分岐した後だから当たり前だけれど)。今までは寛が始めたくせに勝手に終わらせやがって的なことを言っていたが、今回はその部分はすでに了解しているようだった。しかし、寛の人生もかなり同情できる。幸せを追い求めていただけなのに、家族と離縁せねばならず、(真純√を見た感じだと)復縁できずにいるみたいだから。本人もある程度わかっていて、幻影を求めた末の家族計画なのだとしたら、なかなか悲しい計画だなと思う。これに対していろんな辛い経験をしてきたはずの(だからこそか?)主人公が「俺は、家族を捨てない」と決意するシーンはかっこ良かった。

 この作品のテーマの1つ(かもしれない)ものが提示されていた。「家族の意義とは」ということ。結局、全ての問題は己の帰結するのならば、成人にとって家族というものにどんな意味を持つのか。すべて1人で解決しないといけないのなら、家族など幻影にすぎないのでないか。人はそこに何を期待すべきなのか。これについて考えるために、主人公の最期のセリフにあった「糸」について考えてみる。主人公を絶望から引きずり上げた糸だけれど、言ってしまえばこれは「絆」に相当するのではないかと思う。情愛とも言えるか。人はその糸にすがらずにはいられない。無数の小さな接触がよりをかけて、糸を丈夫にはぐくんでいく。そして強固な絆になり、理不尽な現実世界でも「幸せに」生きていくことができるということなのだと思う。そして、その強固な絆の形成に家族が必要不可欠なのだと思う。主人公の言葉にもあったように、1人だと生きていくことはできるが、ただ、生きていくことしかできない。「幸せに」は生きていけないのだ。

 この√におけるもう1人の重要人物、青葉(青葉√でも茉莉がもう1人の重要人物だったね)。(高屋敷家は全員、心に欠けた部分があるという点では似ているが)特に青葉、主人公、茉莉は周りから情愛をほぼ受けずに育ったという部分で似ている。そのせいで次第に心を閉ざしていったのが主人公や青葉であるのに対し(人を信用せず好意を曲解し孤独を好む←劉の言葉)、茉莉はまだ諦めずに周りにすり寄っていく。同じように育ったはずの茉莉が自分と違う生き方をしていることに対して、青葉は恐れ・苛立ちを覚えているのだった。しかし、だからこそか茉莉に対して自分の犠牲も厭わないような優しさを見せることがあって、かっこ良いなと感じる。自分と同じような道を歩んでほしくないと思っている部分があるのだろうか。頬を赤らめながらも茉莉を連れ出しに行くと言ったシーンは可愛かった。火事場で司を奮い立たせるシーンは名シーンだと思う。このシーンは姉と弟の関係性が強く感じられて、そこも良いなと思った。

 10年後のシーンでは主人公の体がボロボロになっていたけれど、一体何があったんだ?

 準の胸ぐらをつかむシーンも良かったね。主人公は茉莉と同じくらい家族計画にのめり込んでいるだろうから、あれは納得の行動。主人公も青葉も茉莉も結局は寂しいだけ。そのまま準は出て行ってしまうのかと思ったら、ちゃんと謝ってきていて驚いた。準もお金って言う前に葛藤していたしね。準はなんだかんだで茉莉と仲良かったから(下の子には甘いのかもしれない)、余計に後ろめたく感じたのだろう。きちんと反省していた。

 大宇宙超真理教団に入ってみたい……?

 

〇名言

「戦士は生きている限り戦うもの―」by青葉

 

「本当に、カップラーメンより簡単だから」by春花

 

「司、生きることは、問答無用なのよ」

「くだらない気の迷いで命を粗末にすることは、愚かなことよ」

「立ちなさい」by青葉

このシーン、本当に好き。青葉姉さんかっこいい。こういうブレることのない芯の強さを感じられるような人が好き。